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第十二話 ページ13

原田side



近「では、始め!」



近藤さんの声で二人の試合が始まった。



平「真剣でやるのか。怪我したらいてぇのに。」



平助が、隣で茶をすすりながら呟く。



新「馬鹿だな。あの斎藤が木刀なんかで試合するかよ。」



その隣にいる新八が平助の頭を軽く叩く。



左「でも、それだけか?」



新「なんだよ、左之。Aが心配か?ったく、さすがたらしだな。」



左「ちげぇよ。」



いくら斉藤でも、実の妹に真剣で相手なんかするのか?



まぁ、妹って言っても歳なんか変わんねぇんだろうけど。



変な兄妹だよな。



キンッ――



刀と刀がぶつかる音が響いた。



試合の方に目をやると、Aの喉笛に斎藤の刀の先が向いていた。



斎「お前、卑怯な奴になったな。」



斎藤がそう呟き、刀を鞘に収め何処かへ行ってしまった。



辺りが静まる。



近「しょ、勝者、斎藤一!」



近藤さんの慌てた声で試合が終わった。



平「・・・やっぱ、一君すげぇな。」



平助が感心したようにため息をついた。




総「そうだね。ま、本人は納得いかないだろうけど。」



平「なんでだよ。」



土「手を抜かれたんだ。あれは、相当怒ってるぞ。しばらくは近づくな。」



土方さんが掃除の横から顔を出す。



平「え!A本気じゃなかったのか!?」



新「お前、一緒に見てたじゃねぇか。」



平「いや、早すぎてよくわかんなかったぜ。」



確かに、斎藤は居合いが上手い。



にしても、あまりにも勝負が早く着きすぎた。



見た目からして、Aの実力はかなりあるはずだ。



手を抜いたとしか考えられない。



当の本人は、刀をしまいこちらに歩み寄ってきた。



貴「あの、帰っていいですか?それと、お願いなんですが、」



彼女はそこで言葉を止めた。



しばらく俯いて考え込んでから、顔を上げた。



貴「なんでもないです。失礼します。」



彼女は一礼してからその場を去った。



左「俺、行ってくるわ。」



なんとなく放って置けない気がした。



後ろから、「手を出すな」などという声が飛んできたが今は無視だ。



俺はAを追った。

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百目鬼(プロフ) - 沓名さん» ありがとう! (2014年7月22日 22時) (レス) id: ba2c7dd8f3 (このIDを非表示/違反報告)
沓名(プロフ) - 分かりやすくまとめてくれてありがと! 更新がゆっくりでも待ってるから大丈夫だよ(^^)/ 頑張ってね♪ (2014年6月9日 0時) (レス) id: 8dd220fc52 (このIDを非表示/違反報告)
百目鬼(プロフ) - 月夜桜さん» ありがとう☆ 学校に包帯巻いてドヤ顔で登校してきた君に言われるとは光栄だよ☆ (2014年6月8日 21時) (レス) id: ba2c7dd8f3 (このIDを非表示/違反報告)
百目鬼(プロフ) - 玲音さん» wwwだしょ? 頑張るっす(`・ω・´) (2014年6月8日 21時) (レス) id: ba2c7dd8f3 (このIDを非表示/違反報告)
月夜桜(プロフ) - 人のこと言えない中ニっぷりだね!(^ω^) (2014年6月8日 20時) (レス) id: be8b5973b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雷々 | 作者ホームページ:http://nekomoti  
作成日時:2014年4月23日 0時

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