検索窓
今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:7,017 hit

19、あくまでも実験 ページ20

錬金術。科学的技術を用いて非金属から金属、特に金を取り出そうとする取り組みで17世紀後半には活発に研究されていたらしいが、成功したと言う話は聞いたことのない。

「錬金術は金を作り出すために考え出された方法だが、何も使い方がそれだけと言う訳ではない。そもそも錬金術の基本は等価交換。やり方を知っていて、作りたい物と同等の価値のある物があれば、例え貴族でもそこらの貧民でも金属以外の物や人体、生命に至るまで作り出すことが可能だ。」

話を聞いているとわずかにだが、男がどうやって異形を作り出したかがわかってきた。まず適当な場所から披研体となる人間をさらってきて、ゴッドウィルスを投与。肉体が進化することで異形と化す。その後、錬金術で作り出した別の魂をこの異形に与えて完全に体を乗っ取ると言う訳だ。そして同時に、どうやって異形が動いているのかも判明した。パイルターはあくまで肉体を安定させるための物で、本体は別の魂によって動かされていたのだ。

「…あんたがどうやって異形を作り出したかは理解できた。だが、なぜそこまでして神を作り出そうとする?」

「私自信が神になるためだ。」

男はなんのためらいもなく答える。

「確かに、人間が神になることなど不可能だ。だがな、少し発想を変えれば神になることなど容易い。自分の手で神を作り出せばいいのだ。少し強引だがな。」

表情を変えずにいい放つ男に対してハザマはかなりあきれていた。一体どんな教育を受けたらここまでのバカが完成するのだろうか?実際ハザマは神に一切興味がない。神は人間が作り出した創作物であり、実際にいるとは限らないからだ。

「…それであんな気味の悪ぃもん作って神様気取りか?」

ハザマのセリフに男はそれを嘲笑うように見ると口の弧を曲げた。裂けた左頬のなかから覗く歯がぎらりと光る。

「一つ教えてやろう。あいつらはあくまで実験だ。ごみに過ぎん。いくら神を作るといっても現代の人の技術では神を作ることには限界がある。だがな、神の体の一部を使えば無理はない。」

「神の体の一部?お前、本気で頭大丈夫か?」

そう思うのも無理はない。神はこの世にはいないのだ。

「残念ながら、すでに目星はついている。後は私の駒がうまくそいつを連れてきてくれればいいのだがな。そして唐突だが、真相を知ったお前たちには消えてもらわねばならぬ。行け、被験体0!」

本当に唐突である。そう突っ込む前に奥の扉が開き、中からなにかが姿を表した。

20、被験体0→←18、真相



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (42 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
11人がお気に入り
オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

地獄狼(プロフ) - 白い雪さん» コメントありがとうございます!これからも頑張って更新していきますので、よろしくお願いします! (2018年11月24日 17時) (レス) id: 9982f25173 (このIDを非表示/違反報告)
白い雪(プロフ) - 何時も楽しく見てます( ˘ω˘ ) (2018年11月24日 17時) (レス) id: 91ed43297b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:地獄狼 | 作成日時:2018年1月4日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。