恋心に蓋を【弍】

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NO side


　髪を整え、豪華な着物をピッシリと着こなした若紫の両隣にはちょこんと正座をしている、そっくりな少女らが楽しそうにしていた。


「花魁、花魁」「若紫花魁」


『はぁい』


　双子の禿。若紫の下で見習いとして禿をしている。 尚、若紫との仲は良好。


禿1「お久しぶりですね」

禿2「寂しかったですよ」


『最近は忙しかったからねぇ、1週間に何回かしか会えなかったかしたら？今までは四六時中、一緒にいたから、少し寂しい思いをさせてしまっね』


　眉を少しおとして申し訳なさそうにする彼女に、禿の2人は首をブンブンと横にふった。


禿1「確かに寂しかったですが…若紫花魁がそんな顔をなさらないでください！」


禿2「そうですよ！私達も花魁がいない間、芸を磨いたりしてましたから！」


『おやおや、蘭と凛も成長したのね…』


禿1(蘭)「若紫花魁…」

禿2(凛)「褒めてくださっても良いのですよ？」


　3人で雑談をして、若紫が2人にお菓子をこっそり上げたり、字を教えたり、学校での出来事を教えたり。2人はとても興味深そうに話を聴いていた。



　若紫自身も可愛い禿達に一時の癒しを感じていた。

　蘭と凛と名付けたのも若紫で、この遊廓に売られた者達の名前を付けるのは決まって若紫で、若紫にとっては全員が可愛い、大切な娘と思っている

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