恋心に蓋を【弍】

【番外編・お泊まり会】 ページ16

NOside


　畳が敷き詰められた大広間には、18人の男達が正座で横一列に整列させられていた。

　ことの発端は、女子達の入浴を覗いたことである。


　みやびの後には般若が見えるし、勝田は先程からニコニコしているだけで喋らない。


　誰も喋らない為、とっても気まずい。主犯の秀吉や、他の生徒達も汗が止まらない。



日「秀吉くん、先程皆様の声がお風呂で聞こえた気がしたのですが、何か言い訳はございますか？」


豊「いや、ないです…」


『豊臣様、貴方様の誘いに乗ったのは誰ですか？』


　勝田にそう言われ、榊原、前田、酒井、真田、今川の名を上げる。


『他の殿方は何を？』


伊「そこは私が説明しよう。私を含め上杉、明智、本多、加藤は必死に止めていた。毛利はのぼせた龍造寺の看病だ」

　他は呆れかえっていたと付けだす。


豊「ほんっまにごめんなさい！魔が差しました！」


　おでこをすり付けて土下座する秀吉に続いて他は謝罪の言葉を口にする。ふっ、と溜め息を吐いた勝田はにっこりと笑って、こんな事を言った


『私は怒っていませんよ？』


「「「え、？」」」


　この言葉にはみやびも驚いて勝田の方を向いた


『私が怒ってるのは、みやびさんに嫌な思いをさせてしまったこですから。嫁入り前の女性に対してなんて事を…』


　ﾜﾅﾜﾅと震えている勝田の肩にポンッと手をおき


日「Aさんはそうおっしゃっていますが、私もAさんの素肌を見られてしまった事に怒ってますからね」


『…直接覗きを行った方はそのまま、それ以外の方は足を崩して楽にしてくださいませ』

　
　その言葉を聞いて、多くが足を崩して楽な体制になる。


上「僕達が居たにも関わらず、止められなくて申し訳ない」

明「本当にごめんなさい、役立たずで…」

加「もっと強めに言っておけば良かったくさ」


　Aとみやびに謝罪の言葉を伝えている間、隣の部屋では秀吉達を囲むように、呆れ返っていた黒田などが立っていた。



黒「隣の部屋を借りても良いか？」

　と黒田が許可をとったのだ。


竹「覚悟はできてるよなぁ、秀吉？」

武「ちょっと、お痛がすぎるんじゃないか？」

黒「まぁ、それを覚悟してやったんだよな、お前ら？」


豊「ﾋｪ」酒「ｱﾊﾊ」榊「ｳｯ」前「ｹﾞｯ」真・今「ﾁｰﾝ」



　大広間の隣からは絶叫がきこえましたとさ。

　おしまい。

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