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部屋の中を見渡す。漫画も無ければゲームも無い。
エサだってやり過ぎたらお水が汚れちゃうし、イザナくんに怒られるかもしれないし…
『喉もそんなに乾いてないもんなぁ…あれ』
机に重ねられている教科書やらの中に、ひときわ大きな本があるのを見つけた。
表紙に明朝体で“
もしかしたら、家族の写真とかがあるかもしれない
そう思った私は居ても立っても居られなくなり、そっと分厚い表紙を開いた。
最初のページに映っていたのは、幼稚園時代と思われるイザナくん。
三輪車にまたがりながら満面の笑みを浮かべている。私も思わず笑みがこぼれた
…だけど、一つ疑問があるのだ。
普通“成長記録”のアルバムって赤ちゃんの頃からなのに、これは歩けるようになった頃からしか貼っていないのは何でだろう、って。
そんなことを考えながら、次のページを捲った。すると…
そこに映っていたのは少し大きくなった彼と____金髪の小さい女の子。
『___イザナくんの妹さん?』
前に少しだけ、本人の口から聞いた事がある。
シセツへ来る前は、確かお母さんと妹さんの三人で暮らしていて…でも、誰も一度も彼を訪ねてきたことがないらしい。
それに二人とも…仮に“兄妹”だとしてもあまり似ていないんだ。
『やっぱり、真一郎さんから聞いたことは本当だったんだ』
何だか腑に落ちた気がした。
_____
次のページからは空白が続いていたので、アルバムを閉じようとした時。
最後のページに、最近遊園地で撮った写真が貼ってあることに気づいたんだ。
『ファミリーアルバムに貼るなんて…気が早いよ』
内心かなり嬉しい、けどそれ以上に照れくさいな…。
「あれ、お前それ読んでんの?」
どうやらお風呂から上がってきたようだ。
『イザナくん。ごめん、勝手に見ちゃった』
「別にいーけど…」
彼はアルバムを無造作に棚に突っ込んだ。
『私の写真、貼ってくれたの嬉しかったよ』
「Aそんなとこまで見てたのかよ」
そのまま抱きしめられ、まだ濡れた髪からは雫が滴り落ちた。
「あ、わりぃ…ドライヤー掛けてくる」
“何で急に抱きしめたの?”と考える暇もなく、パッと手を離される。
部屋を出ていった後も、少し感覚が残っていた…
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ゆあめ(プロフ) - 昼夜逆転マンさん» ありがとうございます!楽しみにして下さるなんて嬉しいです(*‘ω‘ *)他のお話も時間があるときに更新していこうと思ってますので、是非よろしくお願いします!続編も近々上げる予定ですので、これからも頑張って続けます…! (2022年9月3日 22時) (レス) id: ab55678354 (このIDを非表示/違反報告)
昼夜逆転マン - すいません。見るの遅くなりました!凄く良かったです!ずっと続きを楽しみにしていたので見れてうれしいです!本当に大好きです!ほかのお話も見させていただきます!これからも頑張ってください! (2022年9月3日 14時) (レス) @page48 id: b028cbeeeb (このIDを非表示/違反報告)
ゆあめ(プロフ) - 昼夜逆転マン3さん» コメントありがとうございます!好きーーーーーーのお言葉嬉しいです(*ノωノ)あともう少しで続編作りますのでお楽しみに!頑張ります…! (2022年8月27日 11時) (レス) @page46 id: ab55678354 (このIDを非表示/違反報告)
昼夜逆転マン3 - ちょっと、急ぎの用事があって時間がないので、感想を短くまとめます。 すきーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!! これからも頑張ってください! (2022年8月26日 23時) (レス) @page46 id: c03225e7d0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあめ(プロフ) - 昼夜逆転マン3さん» コメントありがとうございます!確かに依存してますね…。実はもうオチは決めているのですが、パート3を作らなければ完結できそうにありません(^-^;更新頑張ります! (2022年8月21日 14時) (レス) @page44 id: ab55678354 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆあめ | 作成日時:2022年4月27日 21時