【北信介】北くんと、

＊ 実家。 ページ36

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「おかえり信ちゃん、Aちゃんよう来たなあ」


「ただいま、バァちゃん」


『ご、ご無沙汰しております…！』









Aを連れて実家に帰ってきた。


変わらず元気そうなバァちゃんに一安心。









「信ちゃんが楽しそうで何よりだよ」


「…そんな楽しそうやったか、俺」


「ずーっと信ちゃんの面倒見てきたからねえ。機嫌がいいことくらいわかるさ」


「…ほうか」









「結婚はいつするんだい」


「バァちゃんはA連れてくるといつもそうやなあ」









中学 高校時代からずっと、バァちゃんは俺の結婚を楽しみにしとる。


そんときは気が早すぎるわ、とほんの少し悩んでいた時期もあった。


高校卒業してから初めてAを紹介したときも、バァちゃんは心底喜んで 即結納の運びになりそうなんを必死に止めた程や。









「…まあ、でも、」









「近いうちに、な」


「あら、まあ」









バァちゃんを安心させてやりたい、という気持ちももちろんある。


あるんやけど、それだけやなくて。









『お茶淹れてきました〜』


「Aちゃん、ありがとぉなあ」









『…信介くん、なんだか機嫌いいね？』


「…ふふ、せやなあ」









これは 彼女と一緒になりたい、という俺の意思。









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