1話 ページ2
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『んっ…』
パチパチと瞬きをして頭を覚醒させる。
そして隣を確認する。
広いダブルベッドの隣には誰も寝ていない。
(昨日も帰ってこなかったのか…)
重たい身体を起こす。
ふと枕元にある携帯を触り、時間を確認する。
7:00と映る画面には彼からの連絡はない。
『はぁ、』とひとつため息を吐いてからベットから降りる。
いつから彼を見ていないだろう彼の声を聞いていないだろう。
『別れよっかな…』
灰谷 蘭
私の彼氏の名前だ。
高校の同級生である灰谷 竜胆の兄である。
竜胆から聞いていた。
「兄ちゃんは俺にとって大切な人で、大好きな人だけど、彼氏は苦労するぞ。」
そう言われても蘭に猛アタックをされて付き合ってこんにに続いて、同棲までしている。
付き合った頃から喧嘩ばっかりで少年院にも入って、逮捕もされて、やんちゃばっかりだったけど更生すると思っていた。
しかし現実は甘くなくて、むしろ反社になってしまった。
世の中の陰の部分、裏社会へはいってしまったのだ。
それでも別れないのは惚れていた弱みだったのだろう。
もちろんまだ大好きだし、愛している。
私の気持ちは蘭に向いている。
しかし現実を見ないと私もいい歳だ。
親からは結婚も急かされる歳になり、周りは結婚している。
『はぁ…』
本日2度目のため息を吐きながらリビングへ向かう。
無駄に広い家、蘭が反社になってお金回りが良くなった。
名義も家賃も全て蘭が払っている。
私も払うと言ったが「俺が養うから気にしちゃダメ」と同棲の時に言われたままになっている。
リビングの扉を開く
『っ…』
鼻にツンっとくるような香水の匂いがする。
中に入ると1週間ぶりくらいに帰って来ていた蘭がソファーでスヤスヤと寝息をたてながら寝ていた。
帰ってきたまま寝たのだろう。
スーツのままジャケットを放り投げてネクタイを外し、シャツとズボンで寝ている。
ソファーはかなり大きくフワフワのため、身長の高い蘭でも余裕で寝ていられる。
『蘭………』
彼のジャケットを拾う。
ツンとした匂いのきつい香水はこのジャケットからだ。
女物の香水、私の知らない匂い
彼は良く私の知らない匂いをつけて帰って来る。
『もう…限界だよ……』
寝ている彼にソファーの上に掛けてあったブランケットを掛ける。
ポチポチと携帯である人にメールを送る。
私はゆっくりとリビングから出た。
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ATR214YS(プロフ) - 完結おめでとうございます! (2021年12月13日 3時) (レス) @page14 id: 5cda5f5352 (このIDを非表示/違反報告)
みくる(プロフ) - めっちゃ泣きました……。やばいくらい素敵。大好きです…… (2021年12月8日 1時) (レス) @page9 id: af4838d834 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん(プロフ) - あさん» ありがとうございます。私も読んでもらえて好きです!笑 (2021年12月7日 0時) (レス) id: 0def8a4c4f (このIDを非表示/違反報告)
あ - めっちゃ好きです…… (2021年12月6日 23時) (レス) @page6 id: c53e6fc030 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゅん | 作成日時:2021年12月6日 0時