三十二頁 ページ15
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ピピーと笛が鳴り、ボールの音が止んでも、何となく中に戻りたくなくて、そのままその場に座り込んでいた。
きっと、凄く迷惑をかけている筈だ。特にさつきと赤司君。あと黄瀬君と黒子君…
…いや、自意識過剰かな。
ギャラリーの声も止んで、いよいよ部活が終わる気配がする。
そろそろ戻らなきゃ、と思うけど、どうしても足が動かなかった。
「A様」
小さな声に、目線だけ上げる。
長い前髪の隙間から、小さな身体が透けて見えた。
…視えた。
「A様、大丈夫ですか?」
「何か儂らに出来ることは」
「バカ、何も分からんのに何が出来るんじゃ!」
「煩い!だから儂らに何が出来るか聞いておるのではないか」
「お前ら煩い!」「「何おぅ!?」」
「だから落ち着かんか馬鹿たれ!!」
やいのやいのと騒ぐ小さいの達に、思わず笑みがこぼれる。
「あ、A様が笑った!」
「笑った笑った!」
きゃっきゃと手を叩く彼らに、少しだけ、心を許した。
貴「……ありがとう、」
「…!勿体なきお言葉!」
「お役に立てたなら光栄至極!!」
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のが悪かった。
キラキラと笑顔を振りまく彼らの向こうに、十二本の足が並んだ。
「誰に話してるの?」
嘲笑が滲むその声は、本の数時間前に聞いた、紛れもない野々村の声だった。
クスクスと、少女達が嗤う。
私を輪になって取り囲んだ六人の足は、小さいのをギリギリ避けて立っていた。
貴「………危ないから行って」
「しかし…」
貴「いいから。私を困らせないで、ごめん」
強めの口調で言うと、彼らは渋りながらも、すんなりと引き下がった。
そして彼らが視えない少女は、目を細めた。
野々村「やっぱあの噂、ホントだったんだ〜」
うっわキッモー。
陰口のようで、はっきり聞こえる音量。
女子の十八番だ。
桝添「あんなに言ったのに、まだ黄瀬君にも赤司君にも…」
野々村「赤司“様”!!」
桝添「………赤司“様”にもベタベタくっついて…挙げ句は虹村部長?
…見境無いんだね、アンタ」
蔑む視線。
野々村「じゃお望み通り、“教育”してあげるわ」
野々村の、冷たい声が響く。
程なくして、肩に強い衝撃と鈍痛。
その勢いのまま、コンクリートに倒れ込む。
成る程、と思うより早く、伏した身体に、無数の蹴りが飛んできた。
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- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
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リサっペ(プロフ) - キセキのファンの先輩?の名前が舛添と野々村って作者さん狙ってますか?笑笑 (2019年1月10日 1時) (レス) id: cc75c6e61c (このIDを非表示/違反報告)
妖怪アパート大好き(プロフ) - 夏目友人帳と黒子のバスケのコラボ作品だなんて、嬉しすぎます!これからも、頑張って下さいね。いつでも、応援しています (2016年7月29日 13時) (レス) id: 589fb42408 (このIDを非表示/違反報告)
しぇるふぃあ。 - な、夏目くんの彼女設...?!これからも無理せず頑張ってください!! (2016年6月14日 7時) (レス) id: 2fca820d76 (このIDを非表示/違反報告)
百鬼(プロフ) - 面白いです!夏目友人帳も黒バスも両方好きなので、コラボ作品嬉しいです!!これから、どうなるのか展開が楽しみです!更新、頑張って下さい♪ (2016年6月5日 0時) (レス) id: 3beef78559 (このIDを非表示/違反報告)
マコト - わぁぁぁぁぁぁぁい!!続編だぁぁぁぁぁぁ!!楽しみだな!楽しみだな!頑張ってくださいねぇぇぇぇぇ! (2016年6月4日 21時) (レス) id: f1a7d746af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:泉水真琴 | 作成日時:2016年6月3日 22時