67，鬼か否か、 ページ19
Aが〈隠〉と共に産屋敷邸の元に辿り着くと、
見慣れない風景が広がっていた。
館には男性1人と子ども2人、
それに向き合うようにして
9人の男女が屋敷の中庭に
膝をついて整列していたのである
「お館様、柱合会議中に恐れ入ります。
A様がお目覚めになられましたので
お連れしました」
〈隠〉がその場に正座をして
両手を地面につけ、そう言った。
Aはどうしたらいいのか分からず、
ひとまず会釈だけする。
すると、産屋敷はそちらの方を向いて
静かに微笑みながら
「あぁ。ありがとう」と呟いた。
A、とのワードに
柱達が一斉にAの方を向く。
「A…！？生きていたのか！！」
「Aちゃんどうして…！」
一気に、ドッと声が押し寄せ
目が回りかけるAを助けたのは
言うまでもなく産屋敷だった
人差し指を口元に立て、
スッとその場がおさめる
「A。おはよう
よく来てくれたね、体調はどうかな」
「え、えっと…」
ここにいる人達、みんな私の名前を
呼んでいたし、
まるで私を知っているような素振りだ…
私は、この人達と
どういう関わりがあるんだろう…？
「は、初めまして。おはようございます…
体調は、まあ…すこぶる元気です、はい」
「それは良かった」
ニッコリと微笑んでくれた男の人の声は
まるで緊張している私を
落ち着かせてくれているような…
ふわふわした声だった
「…」
Aが産屋敷に不思議な感覚を
感じている間、柱達は違和感に気づく
「(初めましてって…
何を言っているのAちゃん…？)」
「(Aの様子がおかしい。何故そんなにも
余所余所しい態度をしているのでしょうか…？
まるで初対面の…2年前と同じ素振り。
一体、何故…)」
恋柱の甘露寺蜜璃と、
蟲柱の胡蝶しのぶがそれぞれ疑問を抱く。
そんな中で、産屋敷は
その場が一瞬にして空気が
ガラリと変わるような発言をした
「A、単刀直入に聞こう。
君は…
_____________鬼、なのかな…？」
「「！！」」
その場にいたAだけではなく、
柱さえも驚きの表情を見せていた
しかし
「お言葉ですがお館様、
それはあり得ません」
間髪入れずに声を発したのは
冷静に産屋敷を見据える しのぶであった。
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無希(プロフ) - 白夜さん» 作品をご閲覧して下さりありがとうございました！記憶というものがいかにかけがえのない存在なのかをお伝えしたかったので、悲しい・切ないと感じて下さり感無量です！今後も見守っていただけると幸いです！コメント下さり本当にありがとうございました！ (2020年11月27日 6時) (
レス) id: 41ba87352e (このIDを非表示/違反報告)
白夜 - 主人公が 記憶を 失うのは ちょっと悲しい(切ない？)けど、全部 思い出して ほしい…とても 素敵な作品 ですね (2020年11月22日 0時) (レス) id: 95ea5261ad (このIDを非表示/違反報告)
華恋 - ところで、華恋は花咲く恋という意味でいれました。恋愛設定なら、この小説はゆりの恋だと思います。花言葉は幻かくです。記憶を失うからです。夢の中で記憶をみたりさまよう感じで。。 (2020年9月7日 12時) (レス) id: d87eae5019 (このIDを非表示/違反報告)
華恋 - るいの様子を無惨様にみられていたとおもいます。だから、下弦のかいたいの時閻魔に名前をさがすように命令されたりするとおもいます。推測してしまいました。。 (2020年9月6日 12時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)
華恋 - 特に提案どうりにいきそうで嬉しいです。夢の中で、鬼の事を思い出したりしそうです。好きだから、無惨様殺しをするというのがよくあります。。難しいとはわかっているけれど、違う形がいいです。 (2020年9月5日 21時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無希
| 作成日時：2020年6月28日 16時
