〇≠無の証明Ⅳ－１ (ページ41)

今日:30 hit、昨日:31 hit、合計:845,022 hit

５ページ41

「除霊は、もう何回も試みてる」
「そうなの？」
「祈祷師とか、霊媒師とか、イタコとか、あとはエクソシストとか」
「エクソシスト！悪魔祓い？」
「うん」
「すご……」

「聖水撒きながら、神の御名に於いて命ずる、悪霊よ去れとかいうやつ、見たい？」

ガラガラと戸が開く音がして、後ろから声がした。

二宮さんが色気をブンブン振りまいてバスローブ姿で表れた。
前髪のしずくがポタリと下に落ちて、髪をかきあげる。

「あー、いい湯だった」
「……すごいたくさん言いたいことあるけど早く座って打ち合わせしましょう」

「あー！Aちゃん来てるー」
相葉さんも後ろから腰にタオル巻いてひょこっと覗いて出てきた。

「……」
絶句。

「バスローブ、おれのどこー、あとパンツ」
うろうろ。

言葉が出ない。
「持って入んなかったの？」
二宮さんが聞いてる。

「うん、あ、あった」
「……」
「ちょっと待っててねAちゃん」

扉を開けたまま背中を向けて腰のタオルを取ろうとして目の前の櫻井さんと大野さんに集中した。

「Aが異性と思われてないことについて今どんな気持ち？」
二宮さんが意地悪な質問を。

「信頼関係さえあれば寧ろ異性に抱くような特別な気遣いや感情は邪魔なので、逆にありがたいと思っていますけど」
「あっそ」

つまんなそうにそう返事して大野さんの横に座った。

「……ってことは……それらに効果はなかったから、権力の行使、という手に出たのね」
私の言葉に黙って目をキョロキョロさせてた櫻井さんが吹き出した。

……風呂上がりの男見て色気がやべーなって思う感性はあるのにそれを見ても屁とも思わず心をピクリとも動かさねーAって逆に変態

「心の声聞こえてますけど」

「話しかけてんだから聞こえて当たり前だろ」

「……」

……松本くんのバスローブ姿なら胸キュンなの？

……見てみなきゃわかんないわよ、似合いそうだけど！

……だいぶ気に入ってるよな、松本くん

……当たり前でしょう！一番真面目だからよ！

「そういうのが好み？」
「酔ってんの？」
「これくらいで酔うわけねーだろ」
「仕事中ですよ」
「今はオフって係長の許可でてますよね？お忘れですか」
「セクハラ」
「お前殺すぞ」
「今の聞きました？松本さん時間」
「18時02分、確保する？」

松本さんがくすくす笑ってる。

「おまたせー！」
相葉さんがめちゃくちゃいい匂いさせて松本さんの横に座った。