第40話 ページ44
交流会が開始される正午になった。既に東京校のメンバーはスタート地点で待機している。伏黒は術式を発動して玉犬・黒を出した。虎杖は久しぶりに見た玉犬を撫で回している。玉犬は嬉しそうに尻尾を振らしていた。すると、スタート地点にある拡声器から五条と庵の声が聞こえてきた。
「開始一分前でーす。ではここで歌姫先輩に、ありがたーい激励のお言葉を頂きます」
「あー…ある程度の怪我は仕方ないですが…そのぉ…時々は助け合い的なアレが…」
「時間でーす」
「ちょっ五条!アンタねぇ」
完全に遊ばれている。五条のああいった無茶ぶりはスルーするのが一番なのだが、生真面目な庵はいつまで経ってもそれに反応してしまって五条に遊ばれてしまうのだ。まぁ、呪術師最強である五条悟に対してはっきりと物を言う人間は少ないから貴重とも言えるが。それでもあのような扱われ方は嫌である。Aは心の中で、暫くの間五条と一緒にいなければならない庵に合掌した。
「それでは姉妹校交流会スタートォ!」
「先輩を敬え!!」
交流会開始の狼煙が上がった瞬間、A達は走り出す。伏黒の玉犬・黒が索敵も兼ねて先導している。森の中を駆けながら、虎杖はパンダに話しかける。
「ボス呪霊どのへんにいるのかな?」
「放たれたのは両校の中間地点だろうけど、まぁじっとはしてないわな」
基本的に東京校と京都校のスタート地点は、区画内の反対側だ。そして公平を期すために、勝敗が決まる二級呪霊は区画内の真ん中あたりに放たれるのだ。余程足が速くなければ、開始早々会敵することはない。
「例のタイミングで索敵に長けた恵班とパンダ班に分かれる。後は頼んだぞ、悠仁」
「オッス!」
その瞬間、玉犬が吠える。敵を感知した合図だ。A達の前に現れたのは呪霊一体。木の枝にぶら下がり、蜘蛛のような形状をしている。
「
呪霊に向けて真希が呪具を構えた刹那、伏黒が待ったをかける。
「先輩ストップ!」
呪霊がぶら下がっていた木ごと吹っ飛ばしてやって来たのは東堂だった。あまりにも会敵するのが早すぎる、京都校のメンバーを置き去りにしてきたのだろうか。そして東堂は、こちらにいる全員に狙いを定める。相変わらずの迫力と威圧感だ。
「ぃよぉーし!全員にいるな!まとめてかかってこい!」
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ヨッシー(プロフ) - 内水 眞衣香さん» コメントありがとうございます!五条先生凄かったですね!アニメではまた違う美しさがありました!呪霊側との接触も上手く書けるように頑張ります! (2020年11月15日 11時) (レス) id: 27a5e91788 (このIDを非表示/違反報告)
内水 眞衣香 - 五条先生は目隠しを外したら、雪のように白くて素敵だと思いました。真人も登場して、これからの活躍が楽しみです!^_^ (2020年11月15日 11時) (レス) id: 57a8ad7f5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヨッシー | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/zyoui1/
作成日時:2020年11月7日 20時