42. 過去編回想5: 約束 ページ6
恋心にまだ気付けなかった当時の私だが、
「なんか最近、A、標準語に変わってね?」
「妙に落ち着いたようだけど。」
「つーかさ、なんか可愛くなってね?」
見た目に気を使うようになってたり、頑張って標準語に正したり、ちょっと大人しくなったりと色々と努力をしてみた。
勿論三人には何があったのかとか、変な心配はされたけど、
『…べ、別に、何でも無い。』
彼等に私が松陽先生に気がある事はどうしても知られたくなかった。絶対にバカにしてくると思ったから。
………
「…、痛ぇ…。」
『どうしたん、銀ちゃん。見せて?』
稽古中、竹刀の打ちどころが悪かったのか、
銀時の腕に痣が出来ている。
それも今出来たものじゃないやつの。
『銀ちゃん。無理してはったやろ?これもう新しく出来た痣やない。』
「…何で分かるんだよ、つーかあまり騒ぐと松陽に…」
「本で読んだから分かる。とりあえず氷で冷やして安静にしないと。」
こんな時に役立つ本の知識。
銀時の腕の手当てを施す。
良かった、酷くならず済んで。
………
「凄いですね、A。怪我の手当ての仕方も身に着けるなんて。大したものです。」
先程の件で褒めてくれる先生。
銀時はあまり自分の様態について他に言わず隠してしまうタイプだからだと言い足す。
「君は将来、医者になれるんじゃないですか?」
『…医者ですか?女の医者なんて誰も信用しませんよ?』
その時医者になりたいとか、そんな実感なんて無かった。
寧ろ皆と同じ様に他の人を守れる様なそんな侍になりたかったのだから。
「性別なんて関係ありませんよ。男も女皆、自分の歩みたい人生に自信を持つ事は出来るんです。」
この時代の女は男よりも権利が少なく、男よりも前に立つことすら許されないけど、
でも先生はそんな常識は間違ってると分からせてくれた。
「そんな大物になるかもしれないAにお願いです。
どうか銀時達の側に居てやって下さいね。
あの子達が無茶をしたら叱ってやって、怪我をしたら手当てをしてやって…
誰よりも彼等を信じてくれる理解者になって下さいね。」
…………
「本当に楽しそうだね、姉上。」
家に帰れば、寺小屋の話を光徳に聞かせてあげている。
元々身体が弱い光徳は家にいる事が多く、
寺小屋に行けない彼の為に私が勉強を教えていた。
自分の将来なんて考えても何も浮かばないや。
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綾葉メグ(プロフ) - ミイラさん» 読んでくれありがとうございます!そう言ってもらえて書いて良かったなと思います! (2020年4月1日 1時) (レス) id: 937ad8ad2e (このIDを非表示/違反報告)
ミイラ(プロフ) - とっっても面白いです! (2020年3月28日 2時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
綾葉メグ(プロフ) - 読んで下さりありがとうございます!そう言ってくれると心の励みなります! (2019年12月12日 23時) (レス) id: 2cd78e4a1d (このIDを非表示/違反報告)
梨央(プロフ) - とても面白いです!これからも頑張ってください!! (2019年12月12日 22時) (レス) id: 5659f84446 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綾葉メグ | 作成日時:2019年11月25日 18時