王子なんてくそ食らえ２【佐野玲於】 (ページ8)

今日:3 hit、昨日:3 hit、合計:232,369 hit

⑧ ページ8

★

美月『いつどうなるかわからないからね(笑)涼太くん、行動力あるし！』

綾乃『"あー、ちなみにそっちにはまだA気づいてない"(小声)』

理恵『涼太くんもまさかこんなに伝わらないとは思ってないよね(笑)』

A『恋って難しい。。。』

付き合いたいって今思ってるわけじゃないけど、彼女が居たら嫌だなとか
他の子に優しいとモヤモヤして不安になったりとか自分がどうしたいのかわからない。

好きな子くらい、、、いるよね。

もし絵理と両想いだったら私は素直に諦めなきゃ。

二人の気持ちが同じならきっと諦められるはず。

亜樹『だいぶ悩んでるね。』

A『自分がこんなにわがままだって気づいて。』

綾乃『まだまだこれから欲張りになってくんだよ。』

ずっと絵理のこととか、玲於が呼び出されたことが気になって気になって、打ち上げ会場までそんな気持ちを持ち越した。

クラスの皆が集まるカラオケで、幹事の裕太くんと涼太くんと紗季ちゃんと麻美ちゃんがお疲れ様でしたぁーって乾杯の合図で始まった打ち上げ。

カラオケ歌う人が居たり、ダンス部の三人にまたアンコールで踊ってもらったり、すごく盛り上がってる。

オレンジジュース飲みながらため息をついて、綾乃の"そんなに気になるならLINEしてみれば"の言葉にスマホ見つめながら迷ってた。

なんてLINEしたらいいの？

彼女出来た？とか？

やっぱり絵理のこと、、、好きなの？とか。。

あぁ～～無理だ。聞きたいけど知りたくない。

どうせまた私には関係ないとか言われちゃうし、、、

涼太『Aちゃん？何か元気ないけど。』

涼太くんが声かけてくれた。

A『そ、そう？大丈夫だよ。』

涼太『ほらまた大丈夫って言った。Aちゃんが大丈夫って言う時はだいたい大丈夫じゃないよね。』

A『そんなことないよ！私はいつも元気！』

涼太くん鋭いんだよね。心配かけないように笑顔で答える。

涼太『...嘘下手でしょ。』

A『えっと...わ、私ちょっとトイレ行ってくる。』

たまにする涼太くんの悲しそうな表情。居たたまれなくてトイレに逃げた。

トイレの鏡に映る自分の顔、情けないような不安がもろに顔に出てて。。。

涼太くんじゃなくても盛り上がってる打ち上げでこんな顔してたんじゃ周りが不快だよなーって思って、鏡に笑顔を作ったらそのままトイレを出た。

今度はちゃんと笑えてるかな。

スマホをポッケにしまって歩き出す。