虹空317 ページ40
[Noside]
グレイはシルバーに転移させられ、ガジル達から引き離されたがこれはこれで都合がいいと考えていた。何故なら二人しかいない場所なら自分の疑問を聞き出しやすいと思っていたからだ。
「アンタは……何者だ?」
端的な質問だがこれを相手は愉快そうに笑っている。その笑みに見覚えがありすぎてグレイは今度は怒鳴るように質問した。
「何者だって聞いてんだ!!」
その怒声に笑い声を止めるシルバーだがその口から出た言葉はグレイが確信していた事だが信じたくない言葉だった……
「俺はお前の……父親だ」
グレイは目を見開いて体を硬直させた…
ジエンマよりミネルバを救い出したスティングとローグの姿と涙を流すミネルバの姿に笑みを見せるエルザ……過去に色々とあったがこれからの彼らを想うと本当に嬉しく思えた。
しかし、その光景を土足で踏み躙る輩もそんざいしていた。
「スティング!ローグ!ウヌらも弱者に成り下がったか!!」
ジエンマの声に二人は顔をジエンマへと向ける。そこには弱さなど欠片も見えず、自分の信じた道を真っ直ぐ歩こうとする強い意思が在った。
「俺達は強くなった!仲間という名の絆を知る事でフェアリーテイルのようなギルドにしていこうと誓った!!」
「もうアンタはマスターじゃない!俺達の仲間に手を出す者は何人たりとも許さん!!」
二人の宣誓にジエンマは怒り狂ったように吠える。
「貴様らぁ!!ワシのセイバートゥースをそのような惰弱なモノにするとは許さん!!許さんぞ!!」
スティングは素早くエルザの元へと移動するとミネルバを託した。
「エルザさん!ここは俺達が!お嬢を頼むぜ!」
「フン!そのような屑を気にしなくともフェイスによってやがて大陸中の魔力は消え去るのだ!!」
ジエンマの言葉にエルザは驚愕する。
「バカな……フェイスは破壊されたはずだ!」
それに答えたのはジエンマではなくスティングだった。
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