虹空311 ページ28
[Noside]
「カエデは大丈夫なの!?」
「大丈夫です…。ベルさんが…元の世界の仲間が力を貸してくれました」
「「??」」
ラクサスとルーシィは揃って疑問符を浮かべていたがカエデとヨミは笑みを浮かべる。
一度気付いたら全てがクリアになったようにカエデは自分の中にある力を理解していた。
「(ベルの炎とほんの僅かな大空の炎を融合させる事によって嵐の属性になるのか……それにしても常に攻撃の核となり休むことない嵐の炎は本当にアイツにピッタリだ…)」
「虹の炎……これがネロの求めていた答えなんだな……」
そしてカエデは嵐の炎の他に自分の中にあと2つの炎が存在するのを見つけた。それを試そうとする前に再びジャッカルが現れる。
嵐の炎によって付けられた傷は細胞を分解してさらに広がっていた。最早フラフラで殴られた顔面の傷や切り傷は痛々しいがそれでもこちらを睨む視線は変わらない。
「このっ……やってくれたやないか……ワイの全力で全員纏めて消し飛ばしたらぁ!!」
ジャッカルは全呪力を振り絞って掌に集め出す。だが隙だらけにも関わらずカエデは動かない……ラクサスとルーシィは慌てて動こうとするがヨミがそれを制する。
「二人共その場所を動かないでください…。カエデさんなら大丈夫です」
「何?」
「ちょっ!ヨミ!」
「死にさらせ!極!爆螺旋!!」
カエデを中心に今までで最大の大爆発が起こり粉塵が空間を埋め尽くしていた。今度こそ粉々になっただろうと息を吐き出すジャッカルだが……
「う……あ………」
絶望がジャッカルを支配する。カエデも後ろにいた3人すら傷一つ負っていなかった。カエデが突き出している右手から緑色の電気に似た炎が4人を囲うように展開されていた。
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