【銀魂】私のたいせつな人【斉藤終】

意識してしまわないように ページ17

【桜井Aside】





＿＿＿＿＿翌日。私はいつもより30分ほど早く起きて食堂へ向かおうとしている。



(…隊長が、たまたま早起きしていたとかじゃありませんように)



戸に手をかけながら、そんなことを願っていた。…というのも、その原因は昨日のあの出来事であり。


(…少し露骨かもしれないけれど。)


万事屋の旦那に「お互いのことをどう思っているか」問われ、考えれば考えるほど隊長が"上司"という存在には留まらないということを思い知らされたのだったとか。


＿＿さらには、その感情が、失礼なのではないかと思ったのだったとか。



(…このくらいしないと、意識してしまう)



仕事ともなれば、頑張れば集中して意識しないようにできるかもしれない。…だが、それ以外は自信が無い。


(どうしたものか…。)



頭を悩ませながら戸を開くと、いつもであれば朝食で一緒になる隊長の姿がそこにはなかった。


思い返すと、隊長とは、時間を合わせようとしているわけでもないのにいつの間にか一緒に朝食に行くようになっていたのだったか。


…いつもであれば戸を開けて隊長がいればそれだけで少し気持ちがあがって笑顔になっていたものだが、今日に関しては、姿が無くてほっとしている自分がいた。


少しばかり気持ちが軽くなり、深呼吸のように息を一つ吐きながら、食堂へと足を進めた。



(…迷惑、かけたくないから。)



自分の気持ちが、私に親切に接してくださる真選組のみなさんの迷惑になってしまうかもしれないから。



…この気持ちは、そっと自分の心の中にしまっておこう。



(＿＿隊長は、頼れる上司だ。)



いつものように、ニコニコ笑って、食堂にいる隊士の方々に挨拶をしたのだった。

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