とある、朝食のときの話。 ページ20
【桜井Aside】
＊
＿これは、とある日の朝食のときの話である。
『＿あ、隊長』
「…。」
『おはようございます。一緒に行きませんか？』
朝起きて、まだ眠気が残り少々気だるげに朝食に向かっていると、隊長がいるのを見かけた。
…だんだんと、コミュニケーションが取れるようになっている気がして、最近はつい嬉しくて話しかけまくってしまっている、
うるさい奴だとか、ウザい奴だとか思われていないか心配なところだが＿＿どうにも、私の感覚だと、隊長から嫌がるような様子は見受けられない。
少しの間一緒に過ごしただけだが、思いのほか、思っていることが読み取れるようになってきており。
＿＿他の隊士にはわからない、見せないようなその行動や表情を、私だけが知っているということが、なぜだか、嬉しく感じてしまっている。
…特別感、というか。
私を三番隊に引き入れてくれた隊長に恩を感じているからなのかはわからないが、仲良くなれていくのは、とても嬉しく感じるのだ。
…一番近くにいられる、ということが。
…今の私は、それが一番嬉しいと思っている。
＊
「最近、桜井と斉藤隊長って仲良いよなー。」
朝食をとっている折、そう話しかけてきたのは、向かいに座っていた隊士である。
『え、そうですか？』
「だって、斉藤隊長が常に誰かと一緒にいて、隣を歩いてるところなんて見たことなかったし。」
『そうなんですか！？』
「すごいよな。だってみんな斉藤隊長の後ろついていくとか、話しかけても返ってこないから、自分も話しかけないようになるとか、そういうの多かったのに。」
(…え、)
『…もしかして、俺が隣を歩くのって、図々しかったりします？』
「いや、そんなことねぇんじゃねぇか？斉藤隊長別に嫌がってなさそうだし。」
『…隊長、図々しいと思ったら、すごい嫌な顔とか、してくださいね、俺、嫌だと思われてないと思っていたので…。』
隣に座っていた隊長が、こちらを向いた。
…そして。＿＿私の肩に、ぽん、と手を乗せた。
何度かやってくれたことのある、…多分、気にするな、大丈夫だ、という仕草。
「お、」
感心しているような隊士を横目に思ったのは。
＿この、なんだかあたたかい手は。
どうしようもなく、安心するのである。
…そして、このあたたかな人たち＿＿真選組を見ると。
＿＿何年か前、幸せな、あたたかな家庭にいた自分を、思い出してしまうようである。
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やまなな(プロフ) - ゆるさん» 返信が遅くなってしまい、大変申し訳ございません。御覧いただきありがとうございました！私も終兄さん好きなので、ご覧いただけて嬉しいです！ (2021年3月4日 12時) (
レス) id: 2a45d58c1c (このIDを非表示/違反報告)
ゆる - すごく面白いです！個人的にも終兄さん好きなので嬉しいです！ (2020年5月8日 9時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
やまなな(プロフ) - 颯さん» まさか今も見てくださる方がいらっしゃるとは…！！こちらこそ、本当に有難いです！！応援ありがとうございます、励みになります。更新頑張ります！！ (2020年3月16日 14時) (レス) id: 2f769ce501 (このIDを非表示/違反報告)
やまなな(プロフ) - ピエロさん» 大変返信が遅れてしまい、申し訳ありません！！ご覧いただき、ありがとうございます！ (2020年3月16日 14時) (レス) id: 2f769ce501 (このIDを非表示/違反報告)
颯(プロフ) - 久しぶりの更新有り難きです！！凄く好きな作品なので応援しております！頑張ってください！ (2020年3月16日 9時) (レス) id: 9993f1b014 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やまなな | 作成日時：2019年1月5日 23時
