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7.勝ち負けには拘るな(下) ページ42



 風が、凪いだ。
 凍てつく空気は、このまま夜以外の時間が来ないのではないかと錯覚させる。
 洞穴でしばらく休憩していたら、風が止んでいた。吹雪は雪に変わり、視界が幾分かマシになっている。
 神威がAを庇った時に鍬が刺さった傷の血も止まった。塞がった訳ではないが。
 朝を待たずとも、なんとか動けそうだ。

「A、起きて」
「……ん……まだ朝じゃない……はっ、私生きてる!」

 仮眠を取れたAは、神威に揺さぶられて目覚めた。

「春雨最強部隊といて、死ぬわけないでしょ」

「むしろ殺される危険が」

「俺がどれだけ──」

「ありがとう。神威がいなきゃ、私は今頃死んでたから」

「だから、それは全部終わってからね」

「はいはい」

 殴られた頭はまだ痛いが、血は止まったようだ。Aは神威にもたれかかる姿勢から居直り、尋ねる。

「で、第七師団は詩辺螺星で何をするつもりだったの?」

「もう隠してもしょうがないよね。簡単に言うと、植民地化だよ。春雨幹部のご意向でね」

 神威は陶然郷のこと、前王暗殺のこと、王宮の人々が薬に冒されていたこと、突然農民が戦いを仕掛けてきたこと、知っている全てを説明した。

「……なるほど、植民地」

 今更それをどうこう言うほど、お花畑ではない。流して、話を続ける。

「ところで神威、裾に白い粉ついてるよ。もしかしてそれ……」

 華服の裾に文字通り白い粉が付着している。
 Aは手に乗せて、観察する。試しに雪にかけると、その部分はわずかに溶けた。

「雪が溶けた。なら、塩……? 少なくとも、麻薬(クスリ)ではなさそう」

 Aは手元の白い粉に視線を落とす。

「塩なんて撒いたら、植物が育たなくなるのに」

 その言葉に、神威は目を見開いた。言葉にならない息が漏れる。

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夢宵桜(プロフ) - 琥珀糖さん» 読みにくくてすみません…。配色を少し変えてみましたが、如何でしょうか。 (4月1日 6時) (レス) id: 77ab0362c3 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀糖(プロフ) - 色盲とかではないのですが、背景と文字の色が同系統すぎて読めません。可能でしたら変更して頂きたいです。 (4月1日 1時) (レス) id: 02d9a0ed5d (このIDを非表示/違反報告)
夢宵桜(プロフ) - 名無し5059号さん» 見えない色と見える色を教えて頂けますか? 私は色盲についての知識が浅いため、今の配色のどの部分が見えないか教えて頂けたら、対処法を考えられるかもしれません。 (2月16日 23時) (レス) @page46 id: 77ab0362c3 (このIDを非表示/違反報告)
名無し5059号(プロフ) - 色盲で文字が見えないけど対処法ありますか? (2月16日 22時) (レス) @page1 id: 427c7b5a4d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夢宵桜 | 作者ホームページ:https://lit.link/dreamfairy  
作成日時:2023年12月13日 23時

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