Episode5 就寝 ページ7
『じゃ、そうと決まれば部屋決めですね。と言っても空き部屋なんて1つしかないんですが』
幸いこの部屋は2LDK。誰かが泊まりに来た用にずっと空けていた部屋がやっと日の目を見れるという訳だ。ただいくつか問題がある。1つはベッド等の家具がまだ揃っていない事、もう1つは______
____同人誌が大量にある、という事だ。
誰も使ってないから、という楽観的な考えで本置き場にしていたのがまずかった。(HENTAI)同人作家なのだからスケベ本の1つや2つ、8つや9つ、10冊や20冊あっても何ら不思議じゃない。
それがあの部屋には大量に積まれているのだ。いくらTordがHENTAIだからといってそれとこれとは話が違う。
『あー……実はまだあの部屋ベッドが用意できてないんですよ。散らかってるし…今日すぐに注文するんでそれまで私のベッドで寝てください』
「別にいいけど、その間Aはどこで寝るんだ」
ん"ん"ッッ
…危ない、名前を呼ばれてまた正気を保てなくなるところだった。いけないいけない。
『私はリビングのソファーで寝ますよ。だから存分にベッド使ってください』
「うーん…流石に女をソファーで寝かせるのはなぁ」
ああ、そこは気にするんだ。流石英国紳士と言ったところか。……いや、Tordはノルウェー出身だから違うな。Tordは少し考え込むと、私を横目で見ながらニッ、といたずらっぽく笑った。
「俺がソファーで寝るよ。___……それとも一緒にベッドで寝るか?」
『だめです』
「即答かよ」
『嫁入り前の娘が会って間もない男と床を共にするなんて言語道断。そっちの価値観はよく分かりませんがこの国じゃそういうのは良くないですよ』
「ハハッ、そのお堅いところが典型的な日本人女性って感じだな。安心しろよ。さっきのは冗談だ冗談」
Tordは心底可笑しそうにそう言うと、私の静止も聞かずそのままリビングのソファーへどっかりと座った。どうやらそこで寝るのご所望らしい。私は彼の不器用な気遣いにひとつ息を吐くと、自室のクローゼットからブランケットを1枚引っ張り出した。
リビングのソファーで少し眠そうにしている彼へそれを1枚手渡すと、Tordは「悪いな」と一言いって快くそれを受け取る。
手渡されたブランケットを少しの間なぜかじっと見つめているTordに首を傾げていると、突然Tordは私へ言葉を投げかけた。
「…しばらく一緒に暮らすんだし敬語は無しな。距離感じるし。じゃ、おやすみ」
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ベンザチャン(プロフ) - 久しぶりの更新嬉しいです!!Tordと夢主の相性が抜群ですね!!!(?)無理せず更新頑張ってください! (2023年1月25日 8時) (レス) id: 7db4a09c58 (このIDを非表示/違反報告)
大祝 - お久しぶりですー!この作品大好きだったので更新嬉しいです! (2022年10月28日 17時) (レス) id: e74f7c17fb (このIDを非表示/違反報告)
たまご(プロフ) - いつも楽しみに待っていました!これからの展開を楽しみにしています! (2022年10月28日 17時) (レス) @page29 id: e11f93c1d4 (このIDを非表示/違反報告)
omio(プロフ) - 更新待ってました!来る日も来る日もチェックさせて頂いていましたが本当に嬉しすぎてやばいです!!次の更新も心待ちにしてます! (2022年10月27日 18時) (レス) id: 0610d9afb5 (このIDを非表示/違反報告)
ベンザチャン(プロフ) - 久しぶりの更新嬉しいです!相変わらずの豊富な語彙力羨ましいです…!無理せず更新頑張ってください!! (2022年10月27日 8時) (レス) id: 05631b7c6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はちまき | 作成日時:2022年7月10日 21時