重力、夢中力…弐｡【中原中也】

(45)航空郵便 ページ3

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『え…あの、失礼ですが首領、もう1度云っていただけますか？』



「探偵社へ刺客として乗り込んでくれ」




此と同じ言葉を云われたのは数分前。

私の口が開いたまま塞がらなくなったのが数秒前。


何を仰っているのかな首領は。
私は太宰に顔が割れているんだよ？
というか天敵よ？



「太宰君を説得してきてほしい」


『お言葉ですが、其は只時間の無駄かと』


「やってみなくてはわからないだろう」


『はあ…』



返す言葉も無く私が黙り込むと、首領はいつものように「じゃあよろしく頼むよ」と数枚の書類を渡して云った。

こうなったらもう遣る以外の選択肢は無い。


ブルーな気持ちになりながら執務室へ戻ると、扉の前に人影が見えた。


立原だ。




『やあ立原道造。ご機嫌麗しゅう？』


「え？あ、どうもAさん。…どうしました？」


『一寸巫山戯ただけだよ。そんな訝しげな目でみないでくれ』



未だにAの性格がよくわからない立原の手には書類の束が抱えられていた。




「これを届けに来たのですが、留守でしたので」


『御苦労様。中で休憩していく？』


「いえ！お気遣いありがとうございます。あと、航空郵便(エアメール)が届いていました」


『航空郵便(エアメール)…？』



送り主の名前を見て私は顔を顰めた。



" C.Nakahara "



ここ最近はメールもろくにしていなかったが、まさか手紙が来るとは予想だにしていなかった。




『絶対ロクでも無い物入ってる』


「じゃあ…俺はコレで…」


『あーありがとねー』



…いざ、開封…!!!←



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