行きたい ページ18
Aside
私は待っていた。
いい知らせを。
本を読んでみたりもしたけど、どうも落ち着かない。
私は結局訓練していた。
体調は芳しくはないけど、これで気を紛らわすことはできる。
「A!降りてこい!」
私が立体機動で飛び回っている、否、暴走しているとリヴァイが私に向かって呼びかけた。
私が降り立つとリヴァイはため息を吐いた。
「どうやったらそんなにスピードが出るんだ?病み上がりには見えねぇな。それに、暴走して木の枝を落としすぎだ」
私が振り返ってみると、確かに枝が落ちていた。
まぁ切る手間が省けたってことにしといてもらおう。
私は部屋に入って、みんなの話を聞いた。
リーブス氏は殺された。
エレンとヒストリアは捕らわれた。
調査兵団は活動停止。
出頭命令が出てる。
少ししたら奪還作戦を決行するらしい。
私はまた隠れていろと。
「私にも行かせてよ。いざとなったら囮にでもなんでもなって作戦を遂行するから」
私が言うとリヴァイは首を振った。
「リスクが大きすぎる。もしお前まで捕えられたらどうする?救出する人数が増えるだろうが」
そう来ると思ったよ。
確かに言う通りだし。
「でも、私が居れば敵をもっと多く排除できるよ?それに私はそんなにやすやすと捕まる気はないよ」
私はニヤッと笑って言った。
リヴァイはため息を吐く。
そんなにため息ばっかり吐かなくても。
「ダメなものはダメだ。お前は隠れてろ」
私は立ち上がった。
そして机をバンッと叩いた。
「私は行く!誰になんと言われようと!助ける人数が増えるって言ってもどうせ同じところにいるから一緒でしょ?とにかく行くから!」
私がそう言うとリヴァイも立ち上がって机を叩いた。
「ダメだ!お前は隠れてろ!お前に何かあったらどうする?俺はどうなる?」
あぁ、忘れていた。
自分のことしか考えていなかった自分に腹が立つ。
「ごめん。いいよ。私は隠れてる。リヴァイこそ、怪我とか、しないでよね?」
私の言葉にリヴァイは頷いた。
周りで班員たちがどうしたらいいのか分からないという顔で私たちを見ている。
そう言えば、居たんだった。
私たちはそれから作戦の確認をした。
まぁ私は参加はしないけど。
私にはみんなが無事に帰ってくることを祈ることしかできない。
でも、それでリヴァイがいいなら、いいか。
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作者名:カシオペア | 作成日時:2017年9月16日 8時