背後からの襲撃 ページ19
Aside
私は部屋に一人でいた。
部屋どころか、この建物には私以外誰もいない。
みんなはエレンとヒストリアを奪還する作戦を決行してる。
私はみんなの無事を祈っている。
流産の虚脱感も捨てて、祈っている。
もう消えてしまった燈を再び燈すことは私にはできない。
でも、まだ燈っているなら、その燈が消えないように祈ることはできる。
だから私はそうしている。
どうか、仲間が無事に帰ってきますように。
私はみんなが向かった方の空に向かってそう願った。
その時、何かの布が私の口と鼻を覆った。
そして気がついた時には私は馬に乗せられていた。
手足は縛られている。
身動きが取れない。
私を捕らえているのは多分中央憲兵か、王政の奴らか。
私が目を覚ましたことに気がついていない様子だ。
このままこいつを倒せないだろうか。
私は少し進んで、細い路地に入ったところでそいつを馬から振り落とした。
衝撃で私も落馬したけど、手を縛っていた縄が解けた。
私は足のものもとって、そいつに蹴りを食らわせて気絶させた。
そしてそいつの立体機動装置を奪った。
その時、発砲音が聞こえた。
私はそちらに向かった。
見ると、二ファがやられた。
横にはリヴァイ。
私はそっちに向かった。
みんなも頑張って戦ってる。
私は加勢に向かった。
「みんな、あんまり飛び出ると巻き添え食らうよ？」
私はそう叫んでアンカーを刺し、回転を開始した。
みんなの驚いた顔が見えなくなるほど加速した。
自分のじゃないからやりづらいけど、仕方ない。
私は中央憲兵の方に突っ込んだ。
そして回転斬りで片付けていく。
「A？」
あらかた終わった時、リヴァイの声が聞こえた。
戦ってるんだから集中してて欲しい。
私がそう返そうと少し油断した時、後ろから銃を当てられた。
「殺されたくないなら従え」
そいつはそう言った。
体格では圧倒的に不利。
状況もダメだ。
ここで戦っても勝機は薄い。
「私を殺すことはできねぇだろ？私を生け捕りにしておきたいはずだ」
私は言った。
自然と口調が荒くなる。
「確かにそうだ。だが、ヒストリア・レイスがいる。死んでもさほどの問題ではない。だが、従わないならこいつを殺す」
そう言ってそいつはサシャに銃を向けた。
ダメだ！
「わかった。従うからあの子に手を出すな」
私はそのままついていった。
もちろん、演技に決まってるけど。
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作者名：カシオペア | 作成日時：2017年9月16日 8時
