電流が走る 【あんさんぶるスターズ】

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「で？なんでリッツー達がここに来たんだ？」

にこにこと分かり易く頬を綻ばせているレオをチラ見しながら大神くんが声を上げる

ちなみに凛月は大神くんの隣に座って頭を撫でてもらっており、ご満悦のようだ

「バンドメンバーと楽曲の提供者だ 凛月にはキーボードをお願いした レオには今回特別に楽曲を書いてもらうことになったんだ」

人差し指でくるくると宙に円を描きながら説明する

凛月には大量のお菓子とあんずちゃんによる血液提供が行われ

レオにはルカちゃんの手作りマフラーと私の休日を提供し、即OKを貰った

私の休日は大体、学院(レオの楽曲入手)為に儚く消え去っていく

万死である

「おーそういうことだ よろしくな！！皆の衆！！」

わはは☆と大声で高らかに笑うレオを若干引いた目で見つめる大神くん

私に大丈夫なのかという視線を送ってくるので、大丈夫だと頷けば怪訝そうな顔をされる

結構彼は常識人だと思う

「とりあえず楽器についてはRockフェスの運営さんから直々に貸し出してもらうことになってるから、音質は安心してくれ。今日中に暗譜、明日は個人で通してもらって放課後に音合わせするぞ」

厳しいと思うかもしれないがこれでも彼らはこの夢ノ咲の選ばれしメンバーだ

レオから預かった楽譜を印刷し、ファイリングして配布する

それぞれの手に渡った途端にじっと集中して暗譜しようとファイルを開く

レオには引き続き作業を進めてもらって完成しているところから完璧に仕上げていく方法だ

「「覚えました〜」」

ゆるゆると気の抜けるような声色で話しかけてくる双子ちゃん

配布してまだ数分しか経っていないのだが彼らはパタリとファイルを閉じて、セットされた楽器へ向かう

そして軽やかにリズムを刻み始める

少しアレンジが強めだがきちんと覚えられたメロディーにレオも目を見開く

「お、おおッッ！！すごいなお前ら！！ふはーッ！オレのインスピレーションが爆発しそうだッッ！！」

嬉々とした表情を浮かべ興奮が見え隠れする瞳にギラリと電流が流れる

そして鼻歌を歌いながらカラーペンを滑らせ始めた

楽譜は色とりどりのラインが引かれ、ぐちゃぐちゃと潰れたスペルは一周回って芸術のようにも見えてくる

楽譜に目をやっていると、背後から力強くギターを掻き鳴らす音と柔らかなキーボードの音が聞こえた

そちらに目をやれば、やる気の満ちあふれた瞳で私を見つめる二人

無意識に手に握られた楽譜に力が篭るのが解った

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