終わらない物語 (ページ5)

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参ページ5

私たちは今温かい居間に座らされている
横で赫がそわそわしている
「お母さんとお父さん呼んでくるんで、もう少し待っていてください」
ニコッと笑って出て行く男の子
内心ドキドキしている
また、殴られるんじゃないか。また、罵られるんじゃないか
嫌だ
「連れてきました。こっちだよ。お父さん。お母さん」
スッと入ってきたのは少し年のいった男性と女性
私たちを見るなり驚いた顔をする
当たり前よね
「その黒髪…色のついた目…能力者ですか？」
「…はい」
少し俯いている緑葉
「出て行け」
野太い声で言う男性
男の子が驚いた顔をする
「お父さん？」
「能力者は、この村にいちゃいけないんだ」
出て行けと叫ぶ
まぁ、わかってたけどね
どこの村でも能力者の扱いは酷いものだ
「失礼します」
私たちが立ち上がって出て行こうとすると、女性に呼び止められた
「…なんですか？」
葵が睨んで聞く
女性は体を震わせたけど、覚悟したように頷く
「…なにを、しに来たんですか？この村に」
なんだ、そんなことか
「ただ、能力者の情報がないかと思ってきただけだよ」
黄耆が答える
「私、知ってます！！」
「…え？」
「能力者ですよね？私、知ってます。姉が、友達だったんで…。教えたら、帰ってくれますか」
疑問系じゃないのは帰ってほしいからだ
「…わかりました。ところで、お姉さんは…」
赫が不思議そうに聞く
それもそうだ
そんなに嫌そうな顔をしていれば、そのお姉さんに話をさせればいい話だ
「姉は…殺されました」
噛みしめるように言う
「えっ…」
緑葉がとっさに口に手を当てる
「能力者と仲良くしていたから…」
そんな…
「だから、能力者は私を姉の処刑の日に戻します…殺したのは、私の父です」
「そ、それは…」
「能力者は普通の人が色とりどりの髪に黒い目をしている中で、黒と白の髪色に綺麗な目の色をしています。そして、必ず美しい…これでいいでしょう？出て行ってください」
突き放すように言う女性
私たちは追い出されるように村を出た
「…能力者は、白と黒の髪色に色とりどりの目か…」
山道をひたすら登りつつ言う赫
「うーん…探すのは簡単そうね」
「でもさぁ、綺麗な人たちなんでしょう？なんでこれまでバレなかったのかなぁ」
黄耆が笑いながら言う
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