終わらない物語 (ページ4)

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弐ページ4

「…行こうか…」
私たちは今日ここを立つ

私たちの村を襲った人物を探しに

「許さないから…」
どうやら、葵も同じ気持ちらしい
なんでも、私たちの村を襲ったのは白い髪に赤い瞳の女の子

絶対に見つけ出してやる
殺してやる

「また、戻ってきますね。行ってきます」
私は昨日一生懸命作ったみんなのお墓に手をあわせる

正直、能力を持った子供なんて気持ち悪かったと思う
いつ殺されてもおかしくないから
だから私の元住んでいた村は私を追放した

当たり前だ
いつ暴走するかもわからないし、癇癪を買ったら死ぬかもしれない
捨てるのなんて当たり前だ

でもこの村の人は違った
私に優しい目を向けてくれた
食べ物を与えてくれた

みんな優しくて、温かかった

だから私はお礼を言う

「ありがとう」

見つけてくるね。行ってきます

「おっしゃ、行くかぁ。俺思うんだけどぉ」
村と山道の境界線に来た時、赫が言った

「まずは、俺たちの能力について聞いとかないとな」
「なんで？」
私が聞くと、お前そんなこともワカンねぇのかというような目をされる
悪うございましたね。私は馬鹿なんですよ
「白い髪に赤い目…相手は能力者の可能性が高い」
赫の説明を真剣に聞いている緑葉
そんなに真剣に聞かなくても大体こいつの予想は外れるのになぁ
ま、純粋なのかな？←違う
何も言わないでおこう

「聞いてるか？A」
突然目の前に綺麗な赤色の目が映る
「…きゃあ！！」
「お前、そんな可愛い声出たんだな…」
真剣に言うなよ。ぶっ殺すぞ
私たちが険悪になってきたのが目に見えたのか、葵がため息をつく
「…あ、村だ…」
黄耆が小さな村を見つけた
「ねぇ、入りたい？」
私の質問に全員首を横に振る
だよね…
嫌な思い出しかないもんね。大神村以外の村なんて
「…行くしかないの。葵。貴方ならやれるわ。大丈夫」
葵が一人でブツブツ呟いている
正直怖いわ
「…よし、行こう。こんなことで怖がってちゃ何も始まらない」
私たちは勇んで村の入り口に立った

「あの…」
「ひゃあ！！」
後ろからの声にみんなビクッとする
ゆっくり振り返ると、そこには青い髪に黒い目の男の子がいた
「ここで、何してるんですか？」
「えっと…何してるんだろうね」
「おいっ」
私が答えると、赫に連れて行かれる
「なんて答え方してんだ。怪しまれるだろうが」
「ならあんたがしなさいよ」
「あのっ！お姉さんたち、困ってますよね！僕のおうちに来ませんか？」
「え？」