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baby*23 ページ24

これはもう完全に、
言わなければ帰れない空気だ。

もう少し先延ばしにするつもりだったけれど、仕方ない。

腹をくくろう。


はあ、とため息を吐いて気持ちを落ち着かせ、
私はゆっくりと言葉を舌に乗せた。






「妊娠してるんです」






その瞬間、沈黙が辺りを支配した。


気まずい空気、というよりもむしろ

空白が流れていると言えばいいのだろうか。


理解が追いつかず、唖然としたもの。

皆が皆、ぽかーんとしている。


氷室さんだけは、やっぱりねといった表情だった。


マスターが眉間のシワに指を押し当て言った。





「………ワンモア」

「妊娠してるんです、私。たぶん7週目だと思います」

「…妊娠って聞こえたんだけど、オレの空耳じゃねぇよな?」

「いや…オレもそう聞こえたっす」

「残念ながらボクも」

「え?え、マジで?ガキできたの?」





マスターが助けを求めるような視線を後輩達に送ったら、

高尾と黒子が返事をして、
灰崎は挙動不審な様子を見せた。

マスターが微妙な顔で私に向き直る。





「いや、まあ、お前と相手が合意の上でなら良いんだけどよ…」

「合意というか…偶然です」

「は!!?…つか、そういやお前って彼氏」

「いませんけど…」

「「「「………」」」」





この場にいるほとんどの無言が
たっぷり数十秒ほど。

氷室さんだけ余裕しゃくしゃくなのは何故だ。






「アウト、ですね」





黒子の呟きを皮切りに、
店内が奇声で溢れかえった。

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チベスナ(プロフ) - この作品で花宮さんめっちゃ好きになりました....執着からくる一途さがもう素晴らしい、何より花宮さんぽい恋愛すぎて尊い(語彙力) (2020年9月10日 2時) (レス) id: d26d5f7a91 (このIDを非表示/違反報告)
ミズキ - もうやばいめっちゃ名作じゃないですかああああ花みゃーが格好良すぎる…そりゃ一日で殿堂入りしますよこれは! (2020年3月10日 19時) (レス) id: da8ce484b3 (このIDを非表示/違反報告)
ミズキ - 5話でやっと名前が「(名前)」のままだったことに気づいた我。ていうナニコレ序盤でもうにやけが止まらなさすぎるんですけど…神ですか? (2020年3月10日 18時) (レス) id: da8ce484b3 (このIDを非表示/違反報告)
- 感動したーーーーーーー!!!! (2019年11月27日 20時) (レス) id: d95af1f9f8 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 最高過ぎです。語彙力どうでもいいぐらい最高です。最後の高尾何なんですか?涙が出そうでしたよ? 本当作者さん何で高尾をもっとイケメンにさせちゃうんですか??? (2019年5月2日 23時) (レス) id: 1dd2715002 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:モブA | 作成日時:2015年2月28日 0時

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