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baby*21 ページ22

とはいうものの、実際は不安でたまらなかった。


妊婦向けの雑誌を買いあさったり、
ネットで調べたりして

気を付けることとか、精神的な心構えとかは大体は理解した。



けれど、私にはこれまで妊婦さんと関わった経験も、

ましてや自分がそうなった経験もない。


いつか周りの人にも言わなければならないことも勿論知っているけれど、

今はまだ安定期にも入っていないし隠密にしたい。



だってあの花宮真との子供だ。


相手も相手だから、誰にも言えるはずがない。

そうなると相談できる相手が誰もいない。




私1人で全て何とかしなければならないのだ。


ただでさえ妊娠なんて初めてで慣れないのに。



気が重い。
目眩がしそうだ。





「(…でも)」





そっと自分の腹部を撫でる。

今はまだ膨らみなど欠片もないけれど、
その内大きくなってくるのだろう。





「(あなただけは絶対に守ってあげるから)」





だから元気に生まれてきてね。
そっと心で呟いた。




仕事には、産婦人科に行った次の日から出勤した。


氷室さんが意味ありげな視線を向けてきたけれど、無視だ無視。



運が良かったのか、家では吐き気が辛くても
仕事中にはこみ上げてくることが少なかったため、私はいつも通り働くことができた。

バレなければ大丈夫だと思ったのだ。





妊娠が発覚してから2週間経った頃。



そう、いつも通りに閉店の後片付けをして、
さあ帰ろうと思って挨拶をしようとしたら。





「お疲れ様でし…」





がしりと首根っこを掴まれた。

何故か嫌な予感がして
ぶわっと冷や汗が吹き出す。

恐る恐る、視線だけ後ろに送れば。






「ちょーっとあっちで話そうぜ、Aちゃん?」





キラキラと効果音がつきそうなほどの
めちゃくちゃいい笑顔のマスターがいた。

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チベスナ(プロフ) - この作品で花宮さんめっちゃ好きになりました....執着からくる一途さがもう素晴らしい、何より花宮さんぽい恋愛すぎて尊い(語彙力) (2020年9月10日 2時) (レス) id: d26d5f7a91 (このIDを非表示/違反報告)
ミズキ - もうやばいめっちゃ名作じゃないですかああああ花みゃーが格好良すぎる…そりゃ一日で殿堂入りしますよこれは! (2020年3月10日 19時) (レス) id: da8ce484b3 (このIDを非表示/違反報告)
ミズキ - 5話でやっと名前が「(名前)」のままだったことに気づいた我。ていうナニコレ序盤でもうにやけが止まらなさすぎるんですけど…神ですか? (2020年3月10日 18時) (レス) id: da8ce484b3 (このIDを非表示/違反報告)
- 感動したーーーーーーー!!!! (2019年11月27日 20時) (レス) id: d95af1f9f8 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 最高過ぎです。語彙力どうでもいいぐらい最高です。最後の高尾何なんですか?涙が出そうでしたよ? 本当作者さん何で高尾をもっとイケメンにさせちゃうんですか??? (2019年5月2日 23時) (レス) id: 1dd2715002 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:モブA | 作成日時:2015年2月28日 0時

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