【ダイヤのA】見上げた空と君の笑顔

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「貴子先輩、Aは………?」




「稲実に千羽づる渡しに行ったんだけど、

いくらなんでも遅いわ………」






バスに乗り込む前からAの姿が見えなかった。





選手より先にバスに乗るような奴じゃないから、トイレにでも行ったのかと思った。






でもそれにしては長すぎる。







「(どこ行ってんだよ、バカ)」





そう心の中で毒づいたとき。






ダダダッ




「兄貴!!!!!」







沢村と降谷と一緒にトイレに行ってた弟くんが、珍しく焦ってバスに乗り込んできた。





名前を呼ばれた亮さんはさっきの試合の事もあってか、不機嫌そうに返事をした。






「うるさい。……なに」




「っ………ね、姉さんが、









死んだって………………!」









…………………………………は………?







「お前、なに言って………」




「そんな冗談、タチ悪りぃぞ」







亮さんと倉持かな。




泣きそうになりながらってか、もう泣いてる。




弟くんは、それでも言葉を続けた。









「僕だって、信じたくない!信じたくないです!



でも、でも………!」






溢れ出る涙が多すぎて、弟くんは言葉を詰まらせた。









そっか。









Aは、本当に、死んだのか。

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