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自覚 ページ26

「んーーーー……」

庭院にあるお客様用宿(?)の縁側で座っている私は、酒呑童子を探す方法を考えていた


先ほど安倍晴明に聞いてみると、どうやらその鬼は恋煩い?にかかっているらしい

その想い相手が…………あれ?なんだっけ?

「な、名前を忘れてしまった…!!!」

きゃーっと心の中で落胆したが、まあ気にしない

舞がとても上手な妖だそうな


もしかしたらその妖が出るところに酒呑童子がいるのではないか?と思ったのだが、茨木童子本人はその妖を毛嫌いしているし、安倍晴明によると酒呑童子はその妖に嫌われているそうな…


「あああ…ややこしいなあ」

「ウフフ、そんなに悩んでらしてどうなされたのですか?」

そこには大人の女性、八百比丘尼さんが立っていた

私の隣に座ると、容赦ない言葉を振りかけてきた

「Aさん…茨木童子さんに、恋しているのですか?」

「恋?茨木童子に?」

恋愛経験の少ない私からしたら、恋なんて得体の知れない何かに過ぎない

そもそも鬼に恋とか、あり得ないよ

「今日Aさんが起きた時、茨木童子さんの名前を呼んでいたので、てっきり…」

「なっ!?」

あれは!夢に茨木童子が出てきたから…で、意味はないのに

まず聞かれてたんだ…恥ずかし

私は思わず体育座りして顔を隠した

顔が熱い、赤くしてるのバレたくない!

「私は、妖と人間が恋に堕ちるのを見たことがあります」

「…でもそれって」

叶わないんじゃ、ないの?

詳しいことはわからないけど、妖は圧倒的に人間より寿命が長そうだし

そもそも寿命なんていう概念があるのだろうか?

「ええ、人間の命は短いのでその妖は愛しい人に取り残されたまま時間を過ごします」

ですが…と八百比丘尼さんは続けた

「妖は悲しみに負けることはありませんでした」

「その人間がこう言ったのです。必ず転生して会いに行く、と。妖は信じて、今もなお待ち続けています」

「そう、なんですか…」

転生したら記憶なんてないのに

「悲しい話ですが、美しくもあります。きっと再び運命が2人を会わせてくれるでしょう」

八百比丘尼さんは微笑む

私は鬼なんかに恋はしない

空を見上げ、星よりも輝く大きい月を眺める

だって…私は

いつか元の世界に帰るのだから

ここから1000年後の世界に

だから…茨木童子のこと、好きにならないよ

そう思ったのになぜか胸に痛みが走ったのを言うまでもない

*訂正

おまけ 〜夜の夏祭り1〜→←会いたい理由



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設定タグ:陰陽師 , 茨木童子 , 大天狗   
作品ジャンル:恋愛
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はぐはまさ - 麻乃さん» そう言って頂けて嬉しいです!ありがとうございます、頑張ります(*´∀`*) (2017年10月9日 18時) (レス) id: 1a4672ac58 (このIDを非表示/違反報告)
麻乃(プロフ) - はぐはまささん» はぐはまささんの書かれる茨木童子かっこいいです、もっと読みたいです(*´-`*) これからも応援してますヘ(*`∀´*)ノ (2017年10月9日 17時) (レス) id: 66c6973d83 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - 麻乃さん» ありがとうございます!!!( ´ ▽ ` ) (2017年10月9日 17時) (レス) id: 1a4672ac58 (このIDを非表示/違反報告)
麻乃(プロフ) - 更新お疲れ様です!(o´艸`) (2017年10月9日 13時) (レス) id: 66c6973d83 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - 召使い丁さん» いえいえ!逆に確率アップじゃない時に出るなんて、凄いですね(°_°) ありがとうございます!! (2017年9月12日 8時) (レス) id: 1a4672ac58 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はぐはまさ | 作成日時:2017年4月30日 19時

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