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キーンコーンカーンコーン…
キーンコーンカーンコーン…
終業の鐘が鳴り、教卓の上の出席簿と教科書を閉じて纏める。
「んじゃ、続きは次回な」
「予習復習しとけよ」
銀八の言葉など既に生徒にはあまり聞こえていなそうなものだが...。
「飯、飯...」
銀八もまたそんなこと気にせず、教材を小脇に抱え教室を出た。
「さっき職員室でめっちゃ美人見掛けたんだけど!」
「は?!まじ?どんな?」
「黒髪でさ、まぁまぁ高身長だったと思うんだけど、スラッとしててさ〜」
「見てぇ〜!誰かの来客か?」
廊下ですれ違う生徒の会話に銀時は思わず彼らを振り返る。
その容姿には少し覚えがある。
いや、いやいやいや...まさかな。
そんな事ある筈無い、そう思いながらも急ぎ足で職員室へと戻った。
.
.
.
「何してんの?!」
『何って、お弁当』
届けに来た、と言う彼女の手にはランチクロスに包まれた弁当がある。
「え?!何?!銀八の知り合い?!」
「てか弁当ってどゆこと?!」
「は?! 銀八って彼女居たの?! やば!!」
案の定と言えよう。
そこには確かにAの姿があって、たまたま職員室に居合わせた生徒達に質問攻めにされる。
「手作り弁当?!」
「ラブラブじゃんか〜、銀八も隅に置けないな」
「ひゅーひゅー」
「あーーーー!!!うるせぇー!!!」
生徒達の格好の餌食となった銀八はこめかみに青筋を立てながら、此処が職員室である事も構わずにそう声を上げるのだった。
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作者名:アカツキ | 作成日時:2024年1月14日 0時