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家に帰ると疲れが出たのか、Aはソファに倒れ込んだ。


 
 




「ほら、上着、皺になるからこっち頂戴」

『楽しかったね』

「たまには良いな」

『お寿司食べたい』

「水族館から帰ってきてそれ?」

『銀八は?』

「ごめん、俺も寿司」

 
 
 





上着をハンガーに掛けながら正直に答えるとAは『だよね』と言いながら携帯を弄り出す。

 
 





「出前?」

『そ、今日は奮発しちゃう』

「…ま、良いか」

 
 
 




銀八はテレビのリモコンを操作しながらAの隣に腰掛け、彼女の操作する携帯を覗き込んだ。

 
 
 



「これが良い」

『言うと思ったからカートに入れてある』

「流石」

 
 
 





買い物を終えると携帯を机の上に置き、銀八に寄り掛かるような体制に変わるAを支えては二人でテレビに目を向ける。
 
 
 






「早く来ないかな」

 
 
 


『注文したばっかりだよ』
 
 
 








困ったように笑うAに目を向けても見えるのは彼女の旋毛だけで顔はよく見えなかった。
それがどうにももどかしくて余計に早く寿司が来ないかと思ってしまうのだ。

 
 
 
 





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作者名:アカツキ | 作成日時:2024年1月14日 0時

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