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契約している駐車場に車を止め、助手席の扉を開ける。
「Aー、Aちゃーん」
Aはすっかり寝てしまっていて、銀八は彼女の鞄を肩に掛け直すと彼女を抱き寄せ車から引っ張り出す。
『んん…』
所謂抱っこ状態でAを支え持ち上げる。
車のロックをキーで操作し、そのまま家へと向かった。
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.
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Aをベッドの上に下ろし、顔に掛かった髪を掻き分けた。
彼女はスゥスゥと寝息を立てている。
「どんだけ飲んだんだよ」
酒が弱い訳でもあるまいに。
あんなになるまで飲んで本音を吐き出す姿は久々に見たような、…見たことが無いような。
余程、飲みの席が楽しかったのだろう。
『ぎん、ぱ…ち』
「…!」
『…z』
「ふ、此処に居るよ」
手の甲を滑らせるように彼女の頬に触れる。
聞こえているのか、Aは少し笑っていた。
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作者名:アカツキ | 作成日時:2024年1月14日 0時