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隣を歩くAは相変わらず小さくて、銀時はそんな彼女の手に恐る恐る触れる。
一度驚いたように銀時を見て、また前を向く。
振り解かないという事は嫌では無いのだろう。
『私、別に銀時があの人と特別な関係だなんて思ってないよ』
『思ってないの…、ただ、少し驚いて… ごめんね』
何を謝ることがあるのだろうか。
そんな謝罪に銀時は立ち止まり、彼女もまた掴まれたままの手によって引き止められた。
「何でお前が謝んの」
『何でだろうね』
「......不安にさせてごめん」
込み上げてくる何かをグッと堪える銀時の表情は苦しそうに歪んでいて、そんな顔にAもまた困った顔をして見せる。
そして繋がれていた手をそっと離し、銀時の頬を包むように両の手で触れる。
『私には貴方だけよ、だからそんな顔しないで』
「…狡ィ」
『ふふ、銀時は?』
「…俺も同じだよ」
それを聞いたAはにっこりと穏やかな笑顔になり、銀時も釣られてふと表情筋を緩めた。
『それで? あの人は誰だったの?』
「え”、今聞く?」
『今聞かないでいつ聞くの』
「仰る通りで…」
説明しようにも何を言っても言い訳にしか聞こえないであろうからと切り出せずにいた話題に彼女の方から尋ねられれば、銀時は素直に一から説明を始めた。
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.
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『あの人御庭番衆なの?!』
「そ、それも暗殺特化の始末屋」
『そんな人に狙われる銀時って…』
「って訳だから彼奴とは何も無いし、何なら向こうの妄想だから本当に!」
『分かったって』
あまりの力説にそうなのだろうと痛いほど理解する。
そしてAもまた思い出したように今日顔を合わせた人物の話を始めた。
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アカツキ(プロフ) - 〇〇さん» 初めまして、コメント有難うございます。そのように言って頂けて嬉しいです。パスワードの件ですが、現在全ての作品に置いて鍵の掛かっている作品は非公開とさせて頂いています。公開の予定もパスワードをお教えする事も出来ません。申し訳ありません (4月14日 9時) (レス) id: 7588857b81 (このIDを非表示/違反報告)
〇〇(プロフ) - すごくよかったです 読んでてドキドキしてなんかもう最高でした!! あの質問なんですけどパスワードがかかってる小説あるじゃないですか、その、パスワードって教えていただけますか? (4月14日 7時) (レス) @page44 id: 6c4944cbd5 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - 蘆花さん» 初めまして、コメント有難うございます。既に完結の目処も立っておりますので最後まで楽しんで下さると嬉しいです (2023年3月28日 12時) (レス) id: 59cea801ed (このIDを非表示/違反報告)
蘆花(プロフ) - やだステキ応援してます! (2023年3月28日 12時) (レス) @page11 id: bf60b993eb (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - 東雲さん» コメントありがとうございます。出会いについてはこれから少しだけ書けたらなと思っておりますので楽しみにして下さると嬉しいです (2023年3月27日 19時) (レス) id: 61673d253f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アカツキ | 作成日時:2023年3月25日 20時