オレンジ色の空に恋して

オレンジ色の空に恋して29 ページ29

【yuta side】




さてさて、私事ですが今回このコラムを
最後にライターをやめて違う道に
進む決断をしました。

今もこのコラムを
オレンジ色の空の下で書きながら
『では、また』で終われないことを
この後に及んで
寂しく思ってしまう自分がいますが

今日もオレンジ色の空は変わらず
私を笑顔にしてくれるから

お別れは新しい出逢いの始まりだと
信じて大切な読者のみなさまにも
素敵な出逢いとたくさんの笑顔で
溢れる毎日が訪れる事を
遠いニューヨークの街から祈っています。

それでは、みなさま、
今まで○○に恋してを読んで頂き
ありがとうございました。 ヌー子







そんな文章で終わっていた









メッセージの作成画面を開いて









・・・。








この半年間
マイナスな感情が働かなかった
といえば嘘になるけど








どこかで自分の気持ちが
Aにちゃんと届いている気がして
それだけがAへのメッセージを
続けさせていた








でもただ既読がついただけで
Aには届いてなかったかもしれない








コラムの最後が自分宛の
別れの言葉にも感じれて
こんなにも弱気になって
メッセージを考えるのは初めてだった









仕事終わった






今日は疲れた







突然の最終回








ライターやめるんだね







眠たい








最終回おつかれ







おい、ヌー子
いい加減なんか言え








書いては消して








あてはまる
一言が思いつかないのは
疲れているせいなのか・・・





毎日、何を考えるわけでもなく
メッセージを送ってたくせに
これだという一言が今日は出てこない









一旦メッセージの画面は消して
変わりに開くカメラロール









１月まで遡り
１枚の写真を開いた









水族館で撮ってもらった
その写真の中のAは
少し遠慮がちに笑ってる









スワイプしながら
色んな表情のAを見て









とびっきりの笑顔の
Aを見て指は止まった









・







・








もう一度メッセージの画面を出して


　
　

　
　
　
　

　
　

　






裕太会いたい








　
　
　
　
　
　
　






今の俺にはそれ以外の言葉は
思いつかなかった

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