オレンジ色の空に恋して

オレンジ色の空に恋して28 ページ28

【yuta side】









ニューヨークから帰って来てから
毎日のローテーションに追加されたのは









”Aに連絡すること”









もちろん









一切、電話には出ないし
返信もない









最初は既読すらつかなかった
メッセージに１週間後に
初めて既読がついて









それだけで嬉しくて









だから電話は１週間後に諦めて
毎日休む事なくメッセージを送った









時差の関係なのか
Aの気まぐれなのか









不定期につく”既読”の文字が
それだけで繋がってると実感できて

１回だけすぐに"既読"がついた時は
よしって思わず声に出た









基本は短文で
１日１回の日もあれば
数回の日もある







少し長くなることもあれば
挨拶だけの時もある








好きだとか会いたいとか
帰ってきてほしいなんて
そんな言葉は書かずに








ただのメモや毎日の記録にも
見える文章はきっとAを
うんざりさせてるに違いない









それから









１か月が過ぎて


２カ月が過ぎて


３カ月が過ぎて


・


・


・





気づけば半年が過ぎて









季節はすっかり
夏を目前に控えてた









疲れ切った体で
乗り込んだ仕事の送迎車









座席のシートには








毎月、発売日にマネージャーに頼んで
買ってもらっている
Aの連載が載ってる
ファッション誌








しばらくぼーっとしてから
雑誌を手に取り
いつも通りにパラパラと
目的のページまで進めた









・・・は？









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『〇〇に恋して〜最終回〜』



みなさん、こんにちは
ＮＹ在住おしゃれ大好き
ライターのヌー子です。

初回の【ブラックウォッチに恋して】で
始まり１年に渡って連載してきた
『〇〇に恋して』も
突然ですが今月号で最終回を
迎えることになりました。

今まで読んで頂いた読者の方々
連載の機会を与えてくれた
編集部の皆さんには心より感謝します。

毎号、ファッションをテーマに
書いてきた本コラムですが
最終回のテーマは
編集長の芦山さんより
新しい門出のお祝いに
『自由なテーマで書きなさい』との
有難いお言葉を頂戴しました。

悩みに悩んで決めた最終回のテーマは

【オレンジ色の空に恋して】です。

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そんな始まりだった









そこにはAが見てきた
色んな夕焼け空の写真と一緒に
記事が書かれていた









俺の事なんて一切書いてなかったけど









最後には

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