オレンジ色の空に恋して

オレンジ色の空に恋して30 ページ30

【yuta side】





もちろん、半年間溜め込んだ
思いを勝手にぶつけたからと言って
都合よく既読になるなんてこともなく
帰って来た家









ニューヨークは
朝を迎えたばかり









その時間差と
すぐに既読にならない
いつもの流れは








目覚めの一言には
少し重たすぎる気もしたから
ちょうどよかったのかもしれない









でも"取り消す"選択はなかった








余計な事を考えないように
こんな日は早く寝るに限ると
すぐに風呂に入って








簡単に食べれるものを
冷蔵庫で漁ってると









♪〜









カウンターに置かれた
スマホの通知画面を見て
目を疑った




　
　
　
　




Aが写真を送信しました









すぐに開いたメッセージ









そこには



　
　
　

　
　

　





夜空に浮かぶピースサイン






　
　
　



・・・何だよこれ




　
　
　

　
　
　
　
　

　

　
　
　
　

　
　
　






・・・夜空？



　
　
　






・・・まさか









　


すぐに返信、、、、









は、やめて









prrrr









prrrr









prrrr









prrrr








prrrr








『・・・はい』









久しぶりに声を聞いただけで
喉の奥が締め付けられるように苦しかった









言いたいことは
たくさんあるけど









聞きたいことは１つだけ









溢れる何かを必死に抑えながら









裕太「今・・・どこ？」









・









・









A「川沿いの・・・ベンチ」









裕太「すぐ行くから

絶対行くから

お願いだからいなくなんないで」









Aのところに向いながら
こんな時なのに
こんなありえない状況なのに

あの日ニューヨークで走ったのは
この日の為の特訓だったのか
なんて自分でも呆れるくらい
どうでもいい事考えながら








走って、走って・・・









もしかしたらそれは
辿り着いたゴールに

Aがいなかったら
どうしようなんて

そんな事を考えたくなかった
からかもしれない









目指してきたゴールが
視界に入ってきて









足を止めて









息を整えながら
ゆっくりと近づいた









裕太「ハアッ…ハアッ…」









裕太「何、、、やってんの？」









ゴールのベンチに
寝そべってた人が起き上がって









A「13分28秒」









裕太「・・・はぁ？

何言って、、、」









今度はベンチから立ち上がると

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