プリンセスな彼女[takashi.n]

chapter08 ページ9

A「あっそうだ

これ見て！じゃーん！

ついに買ってもらっちゃったー！」









見せつけた携帯電話









A「本当はね

合格したらって言われてたんだけど

ちょうどパパも変える事になって

前のめりで買ってくれたの」









高嗣「・・・。」









A「でも全然使い方

わかんなくてー

家族と友達の情報

電話帳に登録して終わり(笑)

ちっちゃい文字の出し方も

よくわからなくて」









高嗣「説明書見ろよバカ」









A「だってこんな

分厚いんだもん

こんなだよ？こんな！」









親指と人差し指を広げアピール









高嗣「じゃー一生

小文字打つな！

大文字だけでやってけ！」









A「えー？そんなー

それじゃーずっとタカシチヤンに

なっちゃうんだよ？」









高嗣「ならねーよ」









A「何で？」









高嗣「だって俺お前の

連絡先知らねーし」









A「あっそれならね・・・」









高嗣「聞く気もねーけどな！

メモリーもったいないし」









A「えっタカシちゃんの

携帯って登録出来る件数

そんなに少ないの？」









高嗣「ちげーよバカ

興味ねーって事だよ

お前にもお前の連絡先も！」









・・・。









・・・。







　
　



・・・ずーん。。。。
　
　
　
　
　
　
　
　
　




　




『毒りんご１つくださいな』




　
　
　
　
　
　
・







・







・








「A？」









「おーいA？」









脳内モードから
現実モードにシフトチェンジ









「そんなに迷うほどの林檎か？」









そう聞いてきたのは子供の頃から
行きつけの八百八の息子









大学生になった兄の幼馴染でもあり
世知辛い世の中のせいか
近所に出来たコンビニに負けまいと
営業時間を夜の９時まで延ばしたこの店の
夜の店番として店頭に立つタク








通称はブタゴリラではなく
"たっくん"









A「楽になれる林檎を・・・」








タク「え？何て？」
　








しまった・・・
脳内モードから
完全に出れてなかった









A「ソウ(弟)が風邪引いたの」









タク「あぁそうなんだ」









タク「じゃーお見舞いで

３００円でいいよ」









相変わらず使っていた
ガラスの靴のコインケースから
お金を取り出し渡す

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