【ブルーロック】絵心甚八の姪は天才らしい

第26話 ページ28

『凜ちゃん』



「．．．チッ


　おいその呼び方止めろ」



『え？なんで？
　かわいーじゃん』



「チッ」



『そんな舌打ちばっかりしないの


　
　凜ちゃん
　もう少し筋トレ増やしてもいいかもね』



さっきまでのヘラりとした笑顔から一変

真剣な表情でデータに目を通す



『強化トレーニングにも十分ついてこれてるし
　もう少し負荷かけよう』


「必要以上に筋肉はつけねえぞ」


『わかってるよ


　でも人それぞれ適切な負荷量ってのがあるからね
　凜ちゃんはもう少し必要かな

　大丈夫
　均等に筋肉付けれるようなトレーニング考えてきたから』


はい、と
手渡した紙を凜は素直に受け取る




「．．．」



紙を見た凜の眉がグッと寄る
見事なしかめっ面である


『あ

　あと体力面の向上ね
　その分のトレーニングもいれてるから


　それくらいの量
　凜ちゃんならこなせるよね？』


「．．．」


凜の表情的に
”これくらい”という表現は適切ではないのだろう

まあ出来ないなどと言えるはずもなく
言葉を飲み込む




ちなみにこの二人
出会ったのはここだが、凜はAのことを知っていた


実は凜の母に送られたメールに一度だけ画像が添付されていたことがある

その画像は凜の兄である糸師冴とAのツーショット写真



1人で外国にいる息子を心配する母が、写真の1枚くらい寄越せという連絡に
返ってきたのがその写真だったのだ

それを凜も目にした


絵心の紹介で画面に映った彼女を見た時、凜はさぞ驚いたことだろう
彼女がどこで何をしていたのか知っていたからだ





はじめはAを拒んでいた凜だが
彼女の有用性に気づき、今では彼女に自主練を付き合ってもらう仲だ

個人データを基に凜専用のトレーニングも組んでいる




そして同時にAは凜をとても可愛がっている

冴の弟だ
可愛がるのも無理はない


話に聞いていただけだが、ここで初めて会ってからは弟のように接している
実際に接してAの中で凜は可愛い、と確立されてしまったようだ



まあ凜も満更ではない様で
意外にもAを邪険にすることはなかった




つまりまとめると
Aが凜の弟力に負けたという事である。

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