第25話 ページ27
『私がトレーナーになろうと思ったのは
2年前』
「2年、って．．．
Aさん今」
『19歳だよ
高校2年生の時にね
サッカーの試合をテレビで見たの』
「．．．」
今から2年ほど前
Aがまだ高校2年生の時のこと
蝉の大合唱にコンクリートをジリジリと焼く太陽光
緑が青々と輝き
前日の雨のせいで湿った匂いに
肌に纏わりつく煩わしい熱
カーテンも窓も閉め切り、クーラーをつけ
光も、匂いも、熱も、音も
すべてを遮断した薄暗い部屋
彼女は一人
青白い光を放つテレビを見ていた
箱の中には
緑の上を走る選手たち
その中でも一際輝くその人を
彼女はひたすら追いかけた
光を取り戻した緑瞳から
とめどなく雨が降る
外の快晴とは裏腹に
彼女の部屋だけは雨が止まないままでいた
『神様に会ったの』
「．．．」
『私にとって
唯一の神様
彼の隣に立ちたい
相応しい人間になって
誇れる人間になりたい
彼が頂点を目指すなら
私は一番を作り、支える人間になりたい
”世界一の選手を作れるトレーナー”
それが私の夢
その夢を叶えるために私は留学して、ここに来た
ここで
世界に通用するストライカーを育てる
兄さんのプロジェクトは私の夢の足掛かり』
「．．．」
『君たちが夢を追うのと同じように
私も私の夢を追いかけてる』
「夢．．．」
『この先に
私や君の夢がある
私も君も
夢を夢のままで終わらせるつもりはない
でしょ？』
「！．．．はい！」
潔の言葉に、Aは嬉しそうに笑う
『私が出来ることはなんでもする
私の為に
君たちの為に
一緒に夢を叶えよう
ストライカー』
「！
〜〜〜っはい！！」
潔世一は絵心Aを信頼している
理由は明確
彼女の言葉に力があるから
あの日自分を突き動かした絵心甚八と同じように
言葉一つ一つに大きな力を感じているのだ
彼女の言葉一つで足が前に進む
重たいはずの身体が動く
大きな信頼
それと同時に湧く
大きな好奇心
何も知らない彼女の事が知りたい
彼女は何か
大きな秘密を持っているように思えて仕方ないのだ
自身を導いてくれる彼女のことが
知りたくて知りたくて仕方がない
「絵心、Aさん．．．」
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るあ(プロフ) - 細かくて申し訳ないんですが凜は凛です💦 (2023年4月29日 15時) (
レス) @page28 id: 400c031e62 (このIDを非表示/違反報告)
SHINKAI(プロフ) - 瑠璃（Aru）さん» コメントありがとうございます！そのように言って頂いてとても嬉しいです！！中々筆が進んでいませんが、頑張って更新していきますので、これからもよろしくお願い致します。 (2023年3月26日 16時) (レス) id: 9829dd467f (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃（Aru） - こんなに面白いのになんで伸びないんだ？めっちゃ好きです。応援してます！ (2023年3月21日 9時) (レス) id: cdae4ec124 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SHINKAI | 作成日時：2023年3月9日 23時
