Episode038 ページ39
迅side
今日俺らのランク戦だからな、見にこいよ。……と、今朝太刀川さんに言われたため、おれはランク戦ブースに向かった。入ると丁度、太刀川隊が戦い始めたところだった。
「亜桜隊員、バッグワームを起動している狙撃手の位置を把握している……！？」
解説のその声に、別のカメラに目を向ける。確かにその子は、レーダーに映っていない狙撃手の位置を報告していた。もちろん肉眼で見えるはずもない距離。ほう、サイドエフェクトか？太刀川さんがそんなことを言っていたような、言っていなかったような。曖昧な記憶を遡りながら空いている席に腰かけると、たまたま隣に顔見知りが座っていた。
「あっれ、迅さん？」
「おー米屋。お前も観戦？」
Ｂ級隊員の米屋陽介。Aちゃんと知り合ったあとに基地内で段々顔を合わせるようになって、気が付いたらすっかり顔見知りだった。ぼんち揚を食べながら着席しそのまま米屋に「食う？」と差し出すと、そいつは礼を言って袋の中に手を突っ込んだ。
――――Aside――――
チームで初めてのランク戦は、勝ち星だった。
「あー楽しかった」
「お前もう少し考えて動け」
はーい、と、いつも言われるそのセリフに返事をする。「でも今回は亜桜活躍したじゃないすか」と、フォローしてくれたのは意外にも出水公平だ。「まあ、これからもお前のサイドエフェクトは役に立つだろうしな」なんて続いて太刀川さんも誉めてくれたので、気分はとてもよくなった。元々楽しみにしていたが、正直期待以上の楽しさだった。これが、没頭するという感情なのだろう。
「とりあえず反省して、次の対策練ろうか」
と言ったのは、柚宇さんだった。その声にみんな納得して、私達はランク戦ブースを出る。丁度そのタイミングでピコンとスマホの通知音が鳴るので、私はそれを開いて内容を確認した。
『米屋 : ランク戦お疲れ、一勝おめでと！』
米屋が、ランク戦を見に来てくれていたらしい。私はその画面を見てはにかみながら、部屋を出て歩いて行く太刀川さんたちの後を追いかけた。
「どこで対策練るんすか？」
「俺の家でいいだろ」
あっさりと、太刀川さんの家に行くことが決まった。チームで隊長の家で作戦会議なんて、本格的にボーダーっぽくなってきたではないか。
『ありがと、また個人戦やろうね』
私はそれを米屋に返して、スマホをポケットにしまった。そして太刀川さんに連れられて歩いていくとマンションが見えてきて、私達は中に招かれる。
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亜桜(プロフ) - 百瀬さん» ご指摘ありがとうございます！固定夢主の名前を変換しそこねていたようで……大変失礼しました;;気付いたところから修正していきます。 (2023年1月5日 0時) (
レス) id: 8ae19fe800 (このIDを非表示/違反報告)
百瀬 - 途中途中で名前が"紗雪"になってますよ〜！ (2023年1月3日 12時) (レス) @page47 id: 6aa4d6dc2c (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - 柊那さん» ありがとうございます(´;ω;`)修正多めのマイペース更新で申し訳ないですが頑張ります！！ (2018年5月18日 13時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
柊那 - 面白かったです！続き楽しみてしてます。更新頑張ってください( -`ω-)b (2018年5月18日 2時) (レス) id: 6886eff87c (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - 藤見日和さん» わざわざ有り難うございます！！わがままな作者で申し訳ないです（汗）必ず戻ってきます…！ (2016年11月24日 20時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜桜 | 作成日時：2015年8月5日 16時
