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「ねぇねぇ、海さん。」
「なんですか、Aさん。」
「ひまですねぇ」
「そうですねぇ」

そんなことを言いながらも彼の目線は彼の手に握られているゲーム機に向いていた。せっかく一緒になった休日、どこに出かけるわけでもなく2人でソファに座ってだらだらしている。久しぶりだし構ってもらいたいが、海の心は完全にオンラインのゲームに向いてしまい、1人むなしく取り残されて現状に至る。

「海さーん」

おーい、と海の膝の上に膝枕をするような感じでごろりと寝転がった。ゲームに向けられた海の視線がやっと私に向けられる。と思ったのは束の間で、すぐゲームに戻されてしまう。海の腰に腕を回してぎゅうっと抱きついてみたけど効果はなし。不貞腐れるように海のお腹をぽんぽんと叩いていると悪い考えが頭をよぎった。

鎖骨触っちゃお。
なんだかんだ海のガードは固くて、未だに触ったことがない。ちらりと海を伺うとバトルに勝ったのかちょっと喜んでいる模様。完全に油断している。えいっ!と声を上げて手を伸ばした。



「A?」

すんでのところで掴まれた手。いつの間にか海はゲームをテーブルに置いているし、子供っぽい、いたずらっ子のような顔をしていた。あ、まずったなって思ったけど既に遅かった。さらにまずかったのは今ここはソファで、わたしはあろう事か横になっていて、海に手を掴まれている。

「鎖骨、ダメって言ったでしょ?」

あっという間に組み敷かれてしまう。海の顔が近くて、なんかほんとにかっこいいなぁとか思ってしまう自分がくやしい。散々わたしのこと放ってポケモンしてたくせに。
「だって構ってくれないんだもん…」

そろそろじっと見つめられているのが恥ずかしくて顔を逸らしてしまう。そうすると海の手によって戻されると触れるだけのキスをされる。

「大丈夫、今からた〜っくさん構ってあげるから。」

満面の笑みで答えるとわたしをひょいと抱き上げる。きっと向かう先は寝室で、今はまだ昼間なわけで……

「か、海、ごめんって!だから……その、お出かけしよ?」
「だーめ。」

気をそらす作戦も虚しく終わり、いたずらっ子の顔をした海にそのまま流されるのだった

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設定タグ:超特急 , 短編   
作品ジャンル:恋愛
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なるせ(プロフ) - すけさん» ありがとうございます(;;)励みになります! (2018年10月4日 22時) (レス) id: a45752a8c7 (このIDを非表示/違反報告)
すけ - 全部面白いです!! 更新待ってます!! (2018年10月3日 21時) (レス) id: 315a3c6654 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なるせ | 作成日時:2018年8月25日 5時

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