.03 ページ14
.
「はぁーっ…今日もなんて可愛いの…」
と大きなため息をつきながらAは言った。抱きかかえられたティアラはまんざらでもない表情で、えっ…俺がかまってる時と対応違くない?なんでそんなAに懐いてんの。
それはさておき、俺がゲームに夢中になっている間にAがティアラに夢中になってしまった。何度も輪に入れてもらおうと試みるも、ゲームで放置したAはかなり根に持っているのか俺の存在すら認知されているのか怪しいレベルだ。ソファーの隅で肩身が狭い思いをしながら2人(と、いうかAとティアラなんだけど)を眺める。
……気づいてしまった。可愛い×可愛いなのではないか?ティアラにデレデレのAと、そんなAにどこか嬉しそうなティアラ。うん、絵になる。目の保養だ…そう思いながら思わず写メを撮った。そうするとシャッター音に気づいたのかAがきょとんとした顔でこちらを見た。
「なーに撮ったの?ティアラ?」
「と、A」
さりげなく補足すればえーっ可愛いティアラを撮ってよ〜とまた2人の世界に戻ってしまった。そろそろ俺も入れてほしいんだけどな。あ、でもホントに目の保養だなこの組み合わせ…
「あんの〜…」
「可愛いね〜ティーちゃんは」
「Aさ〜ん……?」
「なんか言ってるひとがいるね〜ティーちゃんはどうする?」
いたずらっ子のような顔でこちらをちらりと見たA。お、これはやっと…?と期待した束の間、俺の膝の上にティアラが乗せられる。そうきたか。ティアラかわいい。
そのままティアラを抱きかかえるとティアラを別の部屋に移動させる。悪く思うな、ティアラ。そのまま戻ってくるとティアラは〜?と言いながら横になってソファを占領するA。え、俺の場所は?
「稜くん、起こして〜」
両手を俺に向けてニコニコしながら言う。Aは俺のこと普段は稜くんなんて呼ばない。これは珍しくAの構ってモードだ。両手を引っ張ってAの身体を起こすとそのまま抱き上げて俺と向かい合わせになるように座る。お互い無言で見つめあっていたけど、恥ずかしくなってAが先に折れた。顔を隠すように抱きしめられると、耳元でAがふふっと笑う。
「なんかすーっごく稜くんのことすき」
「なに、可愛いこと言ってくれるじゃん」
「稜くんは?ティアラとどっちがすき?」
そんなことは考えなくても決まっている。
「Aだよ。」
そう言うとAの顔が耳まで真っ赤に染まった。
.
136人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なるせ(プロフ) - すけさん» ありがとうございます(;;)励みになります! (2018年10月4日 22時) (レス) id: a45752a8c7 (このIDを非表示/違反報告)
すけ - 全部面白いです!! 更新待ってます!! (2018年10月3日 21時) (レス) id: 315a3c6654 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:なるせ | 作成日時:2018年8月25日 5時