ネガティブ姫の疑問【ジャーファル】

41＊おはよう ページ43

「っ痛………


………………朝？」



あぁ、あのまま泣きつかれて眠って
しまったんだ


ベッドの上なのに座って寝ていたせいか
身体中の筋肉がこわばっている


戻るまで時間がかかりそう



まだ赤く、腫れぼったい目を
こすりながら

静かに昨日の夜のことを思い返す



2人の人から愛をもらった

嬉しくて、なんとなく申し訳なくて
泣きあかした

最後に外が視界に映ったのは夜明け前
今は少し暗い朝、早朝のよう



少ししか眠りについていない筈なのに
眠気は全くない

ただ、だるさのみが残った




今日は皆二日酔いのはず………
私も便乗して今日は部屋で休んでおこう



することもないので国から持参した
本に手をかける

本は嫌いじゃなかった

むしろ、好き



周りが私から離れていっても本を読んでれば
幸せだった






でも、あんなに好きな本を開いても
昨日の夜について考えてしまう



エマのこと、ジャーファル様のこと…

嘘か真かなんてどうでも良かった




とにかく昨日の夜のことを考えて
幸せ感に浸っていた



申し訳なさとどことない不安は
心の隅においやって









コンコン






ノックの音に反応し、ふと時計を見ると
8時を過ぎていた



驚いた、こんなにも物思いにふけっていたなんて



朝、私の部屋に来ると言えば彼しかいない


不思議と、気まずさは感じないもの



「どうぞ」


「おはようございます」


きちんと官服を着こなした彼


「すかすがしい朝ですね…！」


「表情から伝わってきますよ」



おはよう、ジャーファル様









暗かった空は明るく日差しが差していた






この時、私は完全に浮かれていた
喜びに、よい方へと逃げていた









この後、あんなことが私を襲うなんて






いや、想像できた事だった

浮かれていた私はそれすら頭になかった

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