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ページ49

「………」

バ…馬鹿な…


………そ…そんな…体が……!?


「フー…ようやく、影真似の術成功!」

「なに!?」

目の前に影は無い。それのこの距離じゃあ、テマリの元まで届かないはず……



「アイツ……一体、何手先を読んでるんだ」

狼は面白そうに笑った。優秀な忍を持ったな、アスマ。

「アレがシカマルの能力だよ」



テマリは、動かそうとしても震えるだけの体で口を開いた。

「なぜ…体が動かない!?ここまで影は届かないハズ!!それに実際……」


ニヤリと笑ったシカマルは、「後ろを見してやるよ…」と言って、首を曲げた。

それに連動して後ろを見たテマリがはっと息を呑む。


「!!」

テマリの後ろには穴があった。

そして前にも。


これは、前の戦いでナルトが下を掘り進み、ネジに攻撃した穴だ。

だから、手前の大穴とつながっている。


「まさか…穴の中のトンネルの影を…」

「御名答」


シカマルが歩き出すと、テマリも歩く。

二人はどんどん近づいていった。




いつの間にか会場は静かになっていた。

皆この試合に魅せられている。

ノーマークだった奴が、とんだダークホースだった、と。



シカマルが右手を上げると、同じ動きをしたテマリはギュッと目をつむる。


シカマルはテマリを見つめた。

「まいった…ギブアップ!」

「!!」


何だと!?と声が上がる。

これはどういうことだ?


「影真似の連発でチャクラ使い過ぎて、もう10秒も捕まえとけねー」

で、次の手200通りぐらい考えたんだけどよ…どーも、時間切れくせー。

「もう、めんどくさくなっちまった。1試合やりゃいいや」



(変わった奴だ……)

試験官は薄く笑って声を上げた。


「勝者テマリ!!」



「あー疲れた…」

シカマルはクイクイと自分の肩に手を回した。


やる気があるんだか無いんだか、そこのところが良くわからない。

だが……


…おそらく、中忍に必要とされる心理的素養でいえば……

シカマルは最も大切な、リーダーとしての資質を備えている。


やる気が見えないのは残念だが、冷静な状況判断力によるものだとも言える。

おのれの能力と技のスキルを知り尽くしているからこそ、戦闘中にパニクることもないし、変に熱くなりすぎることもない。


だからこそ…最悪の窮地と見れば冷静に引き返すこともできる。


もしかしたら中忍になるのはアイツか……?


アスマは満足気にタバコをふかした。

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花ノ木日向(プロフ) - limeさん» ありがとうございます!! (2018年3月28日 10時) (レス) id: 1b110c99e1 (このIDを非表示/違反報告)
lime - 更新頑張ってください!最高です! (2018年3月25日 23時) (レス) id: 8d172b97ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花ノ木日向 | 作成日時:2018年3月18日 17時

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