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「くっ……」
カンクロウは苛立たしげにギリッと歯を合わせた。
(こんな試合…どーでもいいんだよォ…)
「……オレは棄権する!」
「え!?」
ナルトは心底驚いたようだ。それはシカマルも同じ。そして一番驚いたのはシノだろう…
「チィ…」
テマリは舌打ちをして大きな扇子を広げると、その上に乗って降りていった。
「どうやらお前はやる気があるようだな!オイ!残りの一人、降りて来い!!」
試験官がシカマルを見る。
シカマルはテマリを見下ろして、顔に汗を浮かべた。
おい!おい!おい!
なに勝手に盛り上がってんだよ!
つーか、なんでこう、試合変更されなきゃならねーんだ、
ちくしょう…こーなったらオレも棄権して…
「シカマルー!頑張ってください!」
「……応援してるよ」
え!?
「うわああーっ!!」
シンヤに背中を押されてシカマルは地面に落ちた。
「ぐっ……」
仰向けに倒れたまま、控室を見上げる。
そこにはニコニコ笑って「頑張れー!」と手を振るA、それからこちらを見下ろして若干笑っているシンヤ。
(Aとシンヤのヤロー…)
「コラー、さっさと試合しろー!こんな試合、とっとと終わらせろー!」
「いつまで寝てんだ、立て小僧ー!!」
罵声を浴びせられたシカマルは動かない。
はー、どうやら
サスケの試合、楽しみにしてたのに……しょぼい脇役の試合なんか見せられることになってやだな〜って感じになってんな……
この試合、ここまで期待されてねーと…やる意味ない気がすんな…
「なぁに、アンタも降参なワケ!?」
挑発気味に笑ったテマリを見てボーッとする。
…また相手が女かよ……
「来ないならこっちから行くぞ!!」
おい!まだ開始とは…と、止めようとした試験管の話も聞かず、テマリはこっちに向かってくる。
「あーあ、やる気満々だよ、あの女」
ドゴッと音を立てて、テマリの扇子がシカマルのいた場所を叩いた。
砂埃が舞う。
「中忍なんてのは、なれなきゃなれないで別にいいんだけどよ。男が女に負けるわけにゃいかねーしなぁ…」
まぁ…やるか!
「フン!!」
テマリとシカマルは互いに目を合わせて少し笑った。
真剣勝負の始まりだ。
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花ノ木日向(プロフ) - limeさん» ありがとうございます!! (2018年3月28日 10時) (レス) id: 1b110c99e1 (このIDを非表示/違反報告)
lime - 更新頑張ってください!最高です! (2018年3月25日 23時) (レス) id: 8d172b97ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花ノ木日向 | 作成日時:2018年3月18日 17時