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ざわめきはしばらく経っても収まらず、むしろ熱さを増しているように感じる。


火影ヒルゼンの隣に座った風影が、その様子を受けて口を開いた。

「フフフ…ざわついてますね」

「いい戦いだったからのォ…」


……いえ…と、否定する。

疑問を顔に浮かべたヒルゼンに風影は否定の理由を述べた。

「それもあるのでしょうが、おそらくは次の試合…物見高い忍頭たちや依頼主である大名たちにとって……これほど楽しみな試合は無いでしょうから…」


トーナメント表にある

ウチハ サスケ VS ガアラ

この文字を見て、ヒルゼンは少し浮かない顔をした。


「ところで……彼はもうここに?」


ヒルゼンに、上忍が耳打ちする。

サスケの消息がまだ掴めない、と。



何してんだ!早く次の試合始めろ!!

いつまで待たせるんだ!!



待ちかねたギャラリーから声が上がる。

「やむを得ん…ルール通り、サスケは失格とする!」

ヒルゼンは小さくため息をついた。

それを風影が横目で見る。


「……火影殿…うちはサスケの失格は、少しお待ち頂きたい」

「お言葉ですが、忍において時を軽んじる者はどんなに優秀とて、中忍の資格は無い」

…ここに来られている忍頭や大名たちが納得するような明解な理由でも無ければ、彼を待つ理由がありません。


風影は目を閉じた。なるほど……と呟く。

「それなら、十分な理由がありますよ…」

「!!」

「私を含め、ここにいるほとんどの忍頭や大名は…次の試合を観たいが為にここに来たようなものだ」


しかし……と言いかけた上忍を遮り、風影が言葉を続ける。

「…そして後回しにするにせよ……氷柱の試合が残っているではありませんか」


どこの里にも属さない一族の者が、
無傷の一族と称された程の力を持つ者が、
今まで謎に包まれていた存在の者が、

目の前でその力を見せるというのだ。


「これも楽しみにしている者は多いでしょう……」

「……」


ヒルゼンはしばらく考えていた。

やがて決心したように顔を上げる。


「分かった……特別、この試合を後回しにして待つ事にしよう…」

「火影様!本当にそれでよろしいのですか?」


冷や汗をかいた上忍に、ヒルゼンは静かに伝えた。

サスケが来るという保証はないが、仕方ない。

「試験官に伝えろ…」

「……………ハイ」





ざわめきが大きくなってきた会場に、試験官の声が響いた。

次の試合は後回しにする、と。


「では、次の組み合わせ……下へ!!」


油女シノVSカンクロウ

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花ノ木日向(プロフ) - limeさん» ありがとうございます!! (2018年3月28日 10時) (レス) id: 1b110c99e1 (このIDを非表示/違反報告)
lime - 更新頑張ってください!最高です! (2018年3月25日 23時) (レス) id: 8d172b97ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花ノ木日向 | 作成日時:2018年3月18日 17時

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