【NARUTO×FAIRYTAIL】私は忍者じゃない其の四！ (ページ23)

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「……何です、このチャクラは…!!いや、チャクラじゃ…無い……!?」

パニックになりかけたドスは、平静を保とうと一瞬目を閉じた。

(チャクラであれ何であれ関係ない。攻撃される前に耳を壊してしまえば良い話だ……!!)

Aの耳元で、音を最大にして腕を振った。

雷が痛いがそれは我慢。

その音は、耳を塞いでいる手をも通す……!!

Aが歯を食いしばった。

その隙間から血が漏れる。

「この音は体中を突き抜け、他の感覚をも惑わす…!!」

「そん…なのは……私が…倒れてから言ってください……!!」

Aは右の拳をギュッと握りしめた。

その手の周りを、水と雷とが交互に走る。

(これで終わりです…)

「滅竜奥義(めつりゅうおうぎ)…水声(すいせい)・鳴御雷(なるみかづち)!!!」

ピシイイィィ!!!

と鋭い音が鳴った。

Aはドスの腹をその拳で真上に突き上げた。

細い腕が真っ直ぐ上に向けられる。

先に冷たい水がドスの体中にかかった。

続いて、その水をどうしようもない痺れが駆け巡る。

吹っ飛ばされながら、ドスはAの後ろ姿を見てハッと息を呑んだ。

(あれは…竜だと……!?)

Aの頭上、

青い竜の黄色い目がドスを睨みつけ、その鋭い刃を向けている。

(…ボクは、竜と戦っていたのか……)

落ちていきながら、ドスは目を閉じた。

(……敵わなかった…アナタにボクが勝つところを見せつけたかったのに……大蛇丸…)

ドサッ、と地面におちた。

ドスは動かない。

「ハァ、ハァ……」

息の荒いAは拳を突き上げたまま。

「勝者A・スプリンター!!」

辺りから歓声が上がった。

「Aってあんなに強かったっけ…!!」

いのがドンドンとチョウジの背中を叩く。

「痛い…痛いって、いの……でもボクもびっくりしたよぉ…」

「……見たかアレ…またバケモノかよ…」

いの・しか・ちょうの3人は呆気にとられている。

「まさか、あんなのが居たなんてな……」

「ええ…」

アスマも紅もこれには驚きだ。

「Aー!!すんげーってばよォ!!」

「いいわよAー!!」

ナルトとサクラも大騒ぎ。

「えへへ…」

Aは嬉しそうに笑う。不意にその足元がフラついた。

(足に力が入らない……！)

Aはそのまま為すすべもなく、床に崩れ落ちた。

「A!!」

いち早くシンヤが声を上げると同時に、狼が下ヘ飛び降りた。