【NARUTO×FAIRYTAIL】私は忍者じゃない其の四！ (ページ22)

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＊ページ22

「……あーあー」

カカシは「アイツ…」と小さな声で言った。

「負けず嫌いなわけでもなし、勝負強いわけでもなし…」

狼は黙って試合を見つめたまま。

「A…まさか本気で諦めるつもりじゃ……」

サクラは驚きのあまり口元を手でおさえている。

「……いや。Aは諦めないよ。多分だけど、自分の逃げ場をなくすためにあの〝予想〟をしたんだと思う」

ハヤテは額に汗をかいた。

(これは終了でもいいのか？)

ゴホッゴホッ

いや、もう少し様子を見よう……

「さあ、立てますか？立てないでしょ？……あれ、もしかして聞こえてないですか？」

「……聞こえてますよ…」

「ギブアップしたほうが身の為ですよ……」

「そうですね……私もそう思います…」

Aは壁に手をついて立ち上がった。

「でも言ったでしょう。私の予想はハズれません」

Aはしっかりとドスを見据え、笑顔を見せた。

「……サンダードライブ!!」

Aの周りを眩しく輝く雷が駆け巡った。

そしてドスに向かっていく。

その動きはまるで雷のように、不規則で素早い。

「バ……バカな…動けるハズが……」

「これは自分の魔力を一時的に増幅させ、さらに素早さを上げる魔法です。そして…魔力が増幅された私は……元気!!」

いや、それは冗談だ。

頭はとても痛いのだが……

(少し時間をとったおかげで、クラクラとする感じは軽減されました…)

「雷竜方天戟!!!」

大きい槍のような形をした〝方天戟〟が雷で形作られる。

Aはそれをドスに突き刺した。

「うわあああぁ!!」

刺されたような痛みと、体中が感電する痛みとがドスを襲う。

だが、それは実体のないただの電気。

外傷はないが……ドスの包帯が少し焼けた。

それに気づいたドスはAを睨みつける。

「ナメやがって…!!」

腕をひと振り……

Aは耳を塞ぎながらそれを避けた。

そしてグイッとドスに近寄り、耳元でささやく。

「あなたがた音の忍者は、大蛇丸の手引でサスケやシンヤの命を狙った。さらにサクラを傷つけた……」

───私はそれを許していません。

「それがどうした。そんなのは、忍の世界じゃよくあること……」

「……残念ながら、私は仲間を傷つけられて黙っている忍ではありません」

Aはさらに魔力を開放した。

(私の魔力も残り3割を切っています……これが…最後…!!)