「開いてるじゃん」 ページ2
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昼下がり、のどかな街並み。
すっかり寒くなって、うっすら雪に飾られた町は、私のやる気をまた損なわせる。
「どーせ、すぐ閉店する店なんか取材してどうすんのよ」
編集長からもらった地図を頼りに向かうけれど、足取りは重い。
こんな狭い街なのに、新しいお店ができたなんて、今まで私の耳には一度も届かなかった。
それだけは、気になっている。
「…これか」
町を横切る唯一の国道を曲がり、住宅地を抜け、閉店してもう何年経ったか壊れかけた建物の間を縫うように進んだ先に、そのお店はあった。
確かに、話に聞いた通りの可愛らしいお店だ。
そして、驚いた。
木製のドアに“OPEN”のプレートがぶら下がっているのだ。
「なんだ、普通に開いてるじゃん」
何が都市伝説よ、私は少し鼻で笑った。
ドアをゆっくり開けると、カラン、カラン、とドアについた鐘が鳴る。
「いらっしゃい。ようこそ、お姉さん」
血色のいい、小麦色の肌をした男性が、私を見て、にかっと笑った。
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凜望 - 最高です!神ちゃんのこともっと好きになりました! (2016年2月26日 0時) (レス) id: f55ca5bc68 (このIDを非表示/違反報告)
ちびとら(プロフ) - ほっこりしました(´∇`)このお話読むとほっとするんで何回も読み返したくなっちゃいます!! (2016年2月25日 2時) (レス) id: 97b52757b6 (このIDを非表示/違反報告)
山田淳 - もう、神ちゃん天使でした!!ずっとキュンキュンしてました♪のんちゃんのやつも絶対読みます。これからも頑張ってください!! (2016年2月7日 22時) (レス) id: 4ab1e02086 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ@薮 光∞慧(プロフ) - すっごく面白かったです!可愛い神ちゃんを想像しながら読んでました。こんな人形実際にあったらいいなぁ、笑 更新お疲れ様でした。望の方も読ませていただきますねッ (2016年1月31日 15時) (携帯から) (レス) id: 405256a79f (このIDを非表示/違反報告)
りんりん - 完結おめでとうございます!すごく神ちゃんかわいかったです^ ^神ちゃん担なのですごく嬉しかったです!のんちの方も楽しみにしてます! (2016年1月16日 20時) (レス) id: 5b58b1eaf5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:茉莉花 | 作成日時:2015年11月26日 23時