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その29 違うのに ページ32

私は足早にトイレから出た

もう、自分の姿なんか見たくなかったから

教室に戻ると今は一時限目が始まる前だったらしく、数名しか私に気付かなかった

「...あ、Aおはよ。椚せんせ怒ってたよ」

『えー...まじかぁ...呼び出しかな』

できるだけ、平静を保ちながら、話そうと試みる

まぁ、きっとゆうたくんは気付いちゃうと思うんだけどね

もう、やめちゃおうかな

計画も、嫉妬とか、呼吸とか、全部、ぜーんぶ



なんつって

でも、一度全部忘れて、楽になりたい


楽に、なろうか


『ゆうたくん、私今日授業受けないわ』

「...は?」

『サボるってこと!...先生には死んだって言っといて〜』

ゆうたくんの返事を聞く前に軽い足取りで教室を出ていった


学院から出て、どこに行こうかと思考を巡らせてみる


『...どこでもいっか』


誰も探せないような場所に行って、この場所から逃げてみようか

私は、とりあえず駅へと走って電車に乗り込んだ

電車に乗ってから一時間ほど経って、いい感じのところで電車が止まったので降りることにした

新幹線に乗って、どこかに逃げよう

財布とノートと携帯だけが入った鞄を肩にかけ直して、新幹線まで歩いた

新幹線に乗ったら、とりあえず寝ようか

それで起きた時の次のところで降りて、どこかも分からない場所で迷っていよう

意外にも、睡魔はすぐに襲ってきた

  。
。° ° 。 。


ここはどこ...?

動ける、でも、感覚はない

夢の中?

女の子の泣き声が聞こえる。どこかで聞いた声

女の子に近づいて、頭に手を伸ばす

『…あれ…?』

私の手が女の子の頭をすり抜けていった

女の子のところに男の子が走ってきた

「だいじょぶか!?」

男の子は慌てながらも女の子を慰めようとしている

「わたしね…もうここにいられないんだって」

女の子が涙声で途切れ途切れに話した

「…どこに行っちゃうんだ?」

男の子は少し暗い顔になって、女の子に問う

「…すっごく、遠いところなの…もう、会えない…ッかもしれ、なくて」

話している内に女の子の瞳からはどんどん涙声が溢れて、また声を上げて女の子は泣いた

それを見て、男の子はまた慌て出して、女の子の手を握って言った

「…じゃあッ!俺が、おれが、お前のこと迎えに行くから!」

「…え…?」

随分と思いきったことを言う男の子に女の子は戸惑いのあまり、涙も引っ込んでいた

女の子が何か言いかけたとき



ぐにゃり




足元が歪んで崩れて、私は、堕ちた

その30 逃げるのに→←その28 見つかったのに



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あり(プロフ) - 。さん» まじでありがとうございます。修正いたします! (7月9日 22時) (レス) id: 464bb8ff7d (このIDを非表示/違反報告)
- 20話の敬人の苗字【蓮見】じゃなくて【蓮巳】です (5月7日 11時) (レス) @page22 id: 9c37ed3b41 (このIDを非表示/違反報告)
イキリだした陰キャ - はちみつさん» コメントありがとうございます!伝えたいことが伝わっててすごく嬉しいです…!ただ闇が深い子よりもみんなが抱えてそうな病みをなんとなくでもわかっていただけたら幸いです…!! (2020年4月27日 17時) (レス) id: 1bb0adca1d (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ(プロフ) - 切なくて泣きそうになるけど所々ギャグがあって面白いです!!更新がんばってください! (2020年4月3日 0時) (レス) id: 25159701e6 (このIDを非表示/違反報告)
イキリだした陰キャ(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます!面白いと言っていただきありがとうございます!更新は早めにできるように努力します…! (2019年10月12日 16時) (レス) id: 6bf35dac11 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ありーむ x他2人 | 作成日時:2018年1月14日 13時

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